前節、J1で輝かしい実績を誇るＧ大阪と、初めて相まみえた北九州。今季一番の観客がホームの本城陸上競技場に押し寄せ、その声援に後押しされた選手達は、現在首位に立つＪの名門クラブを終盤苦しませたが、あと一歩及ばず敗戦となった。今週最初の練習開始前に柱谷幸一監督は「Ｇ大阪戦は善戦したが、勝てなかったのも事実」と選手達に伝え、良い試合をしても勝てなかったことを人一倍悔やんでいたが、こう付け加えることも忘れなかった。「今週の試合が大事になって来る。九州ダービー、そしてホームでの試合。絶対に勝つぞ！」と付け加えて、チーム全体を鼓舞していた。

ここ5試合で4失点と、守備は安定して来た。「あとは、それをどう攻撃に繋げるかだけ」と柱谷監督も話す様に、勝つ為には相手より多くのゴールが必要だ。ボランチの八角剛史は「前線の大島さんと池元さんは、守備を本当に頑張ってくれているが、FWは点を取るのが仕事。そこに集中出来る様に、良いボールを入れたいし、サポートしたい」と、単発になりがちな攻撃を、少しでも厚みを持たせようと、Ｇ大阪戦でも積極的に攻撃に絡むプレーを見せていた。ここまで奪った3ゴールが、全て勝利に結びついている小手川宏基は「チームの戦い方はハッキリしている。前半は守備からという形だが、全く攻撃のチャンスがない訳ではない。その少ないチャンスをしっかり攻撃陣が決めて、ホームでの勝利をサポーターと喜び合いたい」と、この一戦に対する意気込みを語ってくれた。

今節は前半戦最後になる、熊本とのバトルオブ九州。ここまで北九州は福岡、長崎とアウェイで戦い、共に1点差だったが敗戦し、未だ未勝利で最下位。Ｊ初参戦ながら3位と躍進している長崎が2勝、福岡が1勝1分で中位に付けている事を考えれば、リーグの成績に全く無関係とは言い難い。チームの中身が変わった今季の北九州だが、昨季も前半は勝てない時期が続いて苦しんだが、アウェイの大分戦に10人で勝利。そこからチームは上昇気流に乗り、後半の躍進に繋がって行った。残り3試合となったリーグ前半戦、同じ九州内のライバル熊本に勝利して、少しずつ来ている良い流れを、北九州はホンモノにしたい。

対する熊本は開幕から10節まで1勝と苦しいスタートを切ったが、4月下旬に加入した堀米勇輝と橋本拳人の両選手が早々とチームにフィットし、GWの厳しい日程の中で3連勝を飾った。ただ、浮上のキッカケを掴んだかに見えたその後の5試合では1勝2分2敗と波に乗り切れていない。5試合で10失点と守備の脆さが目に付き、ミスから先に失点することで、自らゲームを難しくしてしまっている。ただこれまで驚異的な粘りでドローに追いついた試合も数多くある熊本。北九州との一戦では、自分達でゲームコントロールが出来るか否かに、勝利への道筋が見えてくる。

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2013.06.14 Reported by 坂本真