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【J2日記】群馬:サポーターが準備した特別な“お立ち台”。群馬一筋9シーズン、男・櫻田 永遠なれ!(13.12.10)

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(C)伊藤寿学

11月24日、第42節・ホームG大阪戦。最後のスタジアムへと向かうバスの中での出来事だった。今季限りでの引退を発表していた櫻田和樹はスーツのポケットに妻ひと美さんからの手紙が入っていることに気づいた。
その手紙はこんな内容だったという。
〜いつかこの日が来ることはわかっていたので心配はしていません。今年1年間、ケガに苦しみながらのプレーでしたが、サポートできて幸せでした。サッカー選手としての人生は終わりですが、これからもサポートを続けていきます。お疲れさまでした〜
櫻田は、妻が忍ばせた手紙に、思わず目頭を抑えた。そして苦しかった1年間、在籍した9シーズンが走馬灯のように蘇った。

昨年11月、痛みは突如襲ってきた。股関節に激痛が走り、起き上がることすらできずに入院。走るどころか動けない状況が続く。歩くことからスタートし決死のリハビリで6月にピッチに戻ったが、半年間のブランクが重くのしかかり、本来のプレーを取り戻すことができなかった。そしてシーズン終了を待たずして現役引退を決めた。静岡産業大卒業後に群馬に加入、群馬一筋9年間のプロ人生だった。
チームメイト、サポーターとともに歩んだ9シーズンだ。群馬はJ2昇格した2005〜2007年までJの荒波にもまれて低迷。櫻田ら選手たちは選手同士で激しく口論することも度々。ときにサポーターとも意見をぶつけ合いながら信頼関係を築いてきた。櫻田は「選手同士の結束とサポーターとの距離の近さがこのクラブの良さ。気持ちをぶつけ合うことで相手を理解することができた」と振り返る。
群馬で9シーズンに渡りプレーした櫻田だが2009年に一度、移籍オファーが届いたことがあった。結果的に残留を決めたが、その判断は間違っていなかったと確信している。櫻田は「待遇とかを考えれば移籍したほうが良かったかもしれないが、クラブに残ったことで大きなモノを得た」と言う。それは昨季まで同じポジションで一緒にプレーした松下裕樹(現横浜FC)、熊林親吾(秋田)との時間。小柄なボランチは「僕がここまでプレーできたのは2人のおかげ。3人でピッチに立った試合はかけがえのない時間だったし、僕の財産」と2人への感謝を口にした。

出場試合223は、群馬では松下に次いで2番目。草津の誇りを胸に戦い続けた櫻田だが、正田スタでのお立ち台に上がったことは一度もなかった。G大阪戦でのラストプレーを終え、スタンドにあいさつへ行ったベテランをサポーターはスタンドへと招いた。そしてサポーターが用意した“お立ち台”からサポーター、チームメイトへ向かって声を上げた。「あそこからはピッチやベンチなどサポーターの立場になってすべてを見渡すことができた。特別な場所に立たせてもらって本当に幸せだった」

一番辛かったことは? 最後にこんな質問を投げかけてみた。するとひと呼吸置いて静かに語り出した。「チームを強くするために一緒に戦ってきた先輩たちが、クラブから契約満了を告げられるのが一番辛かった。重要な選手を失ったことでチームの力が落ちてしまったし、観客減にもつながっていったと思う。このクラブはまだ大きな可能性があると思うので、もう一度、原点に戻って選手・サポーターとともに必死になって戦うチームを作り上げてほしい」。これは群馬を想うがゆえの言葉だった。クラブを愛し、サポーターを愛し、サッカーを愛した櫻田は2013シーズンで群馬を去る。決して際立った数字を残したプレーヤーではない。だが彼がピッチに刻んだ不屈の精神は、クラブの歴史の中で永遠なる輝きを放つ。

以上

櫻田和樹選手にコメントする(J's GOAL 移籍情報)

2013.12.10 Reported by 伊藤寿学
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