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【toto情報】コラム:ACLのアウェイは、記者もサポーターも闘っている。(14.04.18)

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ACLはすばらしい戦いである。
そのすばらしさは、まだ日本がワールドカップに出場する前のアジア予選を思い出してくれればいい。「その頃は生まれていなかった」という若い方々は、お父さんやお母さんに「ドーハの悲劇」のことを聞いてみてほしい。あるいは「ジョホールバルの歓喜」でもいい。当時のアジアでの戦いが、いかに強烈で、いかにドロドロしていたか。そして、その戦いに挑む代表戦士たちにサポーターは心を燃やしたもの。過去を美化したくなるのは年寄りの証拠だが、当時の代表選手たちには今とはちょっと違う、希望の託し方があった。憧れの存在というよりは、自分たちの気持ちを託した同志、とでも言おうか。

特にアウェイに行くと、「ACLを闘っている感」が凄くて、もう堪らない。今週、僕は北京国安対広島を取材に中国へ渡ったのだが、それは、入国の時からすでに現れていた。鋭い目つきでジロジロと見られ、入国カードにほんの少しでもミスがあったりすれば、激怒される。食事に行っても中国語ができなければ、完全に無視。某ハンバーガーショップに行って「メニュー・プリーズ」と言うと、ジロリとにらんでカードを投げられた。

前日会見でスタジアムに行くと、「記者のADがないなら、記者会見室に入るな」と怒鳴られる。ないのは当たり前。報道受付などないのだから。通常なら「どこに行って受付してください」と指示を受けるのだが、そこでは「入るな。ADをもってこい」の一点張り日本の記者だって英語で言っても「は?何を言ってるのか、さっぱりわかんない」的な言葉を言われて、どうすればいいのかラチがあかない。中国のメディアはみんな顔パスなのに。

こういう時に頼りになるのはクラブの広報だが、ミーティングが遅れに遅れ、連絡もとれない。結局、会見開始の3分前にようやく連絡がつき、相手のスタッフから話を通させて会見場に入ったのだが、ADは最後までもらえなかった。

翌日、なんとか広報からADをもらっても、今度は「正門からスタジアムに入るな」と怒鳴られる。記者席に向かうためにスタンドに入ろうとしても「入っちゃだめだ」。ADを見せても知らんぷり。「ダメだ、ダメだ」の一点張り。そこから入れるADのはずなのに、入れないってどういうこと?「これがあれば、大丈夫」と言われていたのに。

そこも相手のスタッフに助けられ(助ける、というのはおかしな表現。ちゃんと普通にシステムをつくってくれれば、問題はないはずだが)、中に入ると今度は公安による荷物チェック。かばんの中からペンを見つけると「これは何だ」。いや、ボールペンだから。先がとがっているからといって、いちいち……。そういえば、北京で飛行機に乗る時も、パソコンだけでなく携帯モデムも鞄から出されて、機械に通された。赤外線検査は、ほぼ全員が「ブー」。そして、身体の隅から隅まで調べられた。

試合前、珍しくメンバー表が配られる(言わないと配ってくれないことが少なくない)ので、「へーっ」と思っていたら、試合後の公式記録が出ない。しかも、その記録を発行する運営スタッフは早々に帰ってしまい、つかまらない。石原の2点目がオウンゴールと中国のサイトで発表されているのを見つけた記者が「果たしてどっちなんだ」と確認したくても、記録がないから確かめようがない。ある記者が「クラブには渡しているのでは」と思いつき、広報や運営のスタッフに連絡して、ようやく確認ができたのだが、あのままでは広島のゴールを誰が決めたのか、明記されないまま配信されかねなかった。

サポーターも個人行動は許されず、団体で周囲の警戒の中で3万6000人の相手サポーターの圧力を受けながら、チームを応援していた。記者やサポーターがそうなのだから、選手たちが受けた重圧はいかばかりか。その中で勝点という結果を持って帰った川崎Fと広島の選手たちには、おおいなる賞賛を送ってほしい。だが、週末の試合は、川崎Fが浦和、広島が新潟、しかも共にアウェイと厳しい戦いが待っている。さらに共に中2日で決勝トーナメント進出をかけた大一番を闘い、その上で週末はまたJの戦いだ。

toto的に言えば、アウェイのACLを戦った後、中3日で闘う川崎Fと広島は、相当の疲れが残ると見ていい。中3日といっても、翌日は日本に戻るだけで精一杯。リカバリーなどコンディショニングが優先され、戦術トレーニングがほとんどできない状況だ。浦和は、というよりもペトロヴィッチ監督は対川崎Fを苦手としているし、新潟もホームでは2009年以降の広島に勝利できていない。そういう相性とチーム状態をどうバランスをとって考えるか。そこは面白い戦いだろう。

Jの誇りを賭けた戦いは、肉体的にも精神的にも追い込まれる。そこを切り抜けた戦士たちは、確かに成長を果たすだろう。ただ、それにも限界がある。今季は仕方ないにしても、来季はぜひ、何かしらの配慮をお願いしたい。それが、プライドをかけて闘う彼らに対する最大のサポートとなる。

最後に書いておくが、中国で出会った人々の中には、優しくしてくれた人もいた。それは間違いない事実であることを記しておかないと、フェアではない。

以上

2014.04.18 Reported by 中野和也(広島担当)

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