横浜FMのACL出場にたどり着いた道のりを少し振り返ろう。2018年に就任したアンジェ ポステコグルー監督が追求する、GKからボールをつなぎ、ハイライン時には2バック、SBはボランチの位置に絞る特徴的なサッカーが結実したのが昨季の後半。リーグ戦ラスト11試合を無敗で駆け抜け、怒とうの7連勝フィニッシュ。15年ぶりにJ1で頂点に立つとともに、ACL本戦ストレートインの切符を手にした。
そしてJ1覇者として迎えた今季の戦いはすでに始まっている。8日には天皇杯王者・神戸と激突したFUJI XEROX SUPER CUPを戦い、90分間戦って3-3と決着がつかず、PK戦の末に惜敗という結果に終わった。公式戦初戦とあって、「ナーバスになっていた」と指揮官が振り返った前半はビルドアップのミスが多く、華麗なパス回しが影を潜めた。ただ、ハーフタイムに昨季から所属する選手を2人投入した後半は復調。勝ち越されては追いつく粘り強さも見せ、終盤は昨季のリーグMVPである仲川 輝人らが計四度の決定機を迎えるなど、勝つチャンスは十分あっただけに、悪くはなかった。
そして中3日で迎える全北現代戦。ACLプレーオフから勝ち上がってきた上海上港、昨季のAリーグ2位・シドニーFCと同組となったグループステージを見渡せば、初戦の相手はノックアウトステージ進出に向けて最大のライバルとも言え、いきなり大一番を迎えることになる。選手起用の面で注意が必要なのが外国籍枠のレギュレーション。J1より少ない『外国籍枠3+アジア枠1』となる。指揮官はターンオーバー制を敷くかどうか明言しなかったものの、外国籍選手の“選択と集中”が求められる。
一方で全北現代のメンバーに目を移すと、今季、慶南から加入し、ACLに2年連続参戦する邦本 宜裕の存在をはじめ、現役南アフリカ代表FWラルス フェルトワイク、昨季のKリーグ1MVPでC大阪や柏などに所属していたキム ボギョンら豪華な攻撃陣が目を引く。さらに守備陣にはキム ミンヒョク(元鳥栖)、キム ジンス(元新潟)、GKイ ボムヨン(元福岡)と日本でもなじみのある名前が並ぶ。
全北現代はこの11年間のうちにリーグ戦で七度頂点に立っており、韓国国内では“絶対王者”と言えるが、「アウェイで初戦というのは難しいが、良い準備をしてマリノスのサッカーをするだけ」とは扇原 貴宏の言葉。果たして昨季J1を席巻した“マリノスサッカー”がアジアでも通用するのか。注目の一戦は12日19時にキックオフを迎える。
[ 文:大林 洋平 ]