ただ、前半開始早々に先制を許し、さらに28分にはPKを献上。あわや2点をリードされるところだったが、GKチョン ソンリョンが見事にPKをストップし、その後の反撃につなげた。
ボールを保持して、三笘 薫らが前線で良さを出して攻め込んだが、なかなか得点できないもどかしい展開。それにビハインドということも焦りを生んだ部分に映ったが、チョン ソンリョンのビッグセーブ後の41分、レアンドロ ダミアンが豪快なバイシクルシュートを決めて同点に追いつく。しかし、それでも大邱は譲らず、46分にセシーニャが勝ち越し点を奪ってみせた。二度目のリードを許した川崎Fだが、そこから52分にレアンドロ ダミアン、55分にジョアン シミッチと連続ゴールが生まれて逆転。その後は昨年11月以来の復帰となった大島 僚太を投入し、システムも[4-2-3-1]に移行して守り切った。
「大きな1勝だった」。鬼木 達監督も試合後に語ったように、グループ内で一番のライバルと目された大邱に対して、大事な初戦で勝ったことの意味は大きい。それに大島の復帰、厳しいACLを初めて経験する選手たちがこの大会の難しさを体感できたこともポジティブに捉えたい。
第2節は中国の北京FCが相手。今大会、中国のチームは“リザーブチーム”とも呼べるような陣容で臨んでいる。力は大邱よりも劣るだろうが、初戦のユナイテッドシティ戦は相手に押される展開で先制されながらも、直接FKで追いついて1-1で引き分けている。その結果を見ても、決して油断はできない。「とにかく目の前の試合に全力で勝ち続けることを目指している。自分たちのサッカーをもっと前面に押し出していくことが重要」と鬼木監督が言うように、チームのアイデンティティーを示す試合、なおかつ勝利をつかむ試合にしたい。
ただ、慣れないウズベキスタンの地で激闘の大邱戦から3日後に迎えるゲームであり、疲労、それに累積警告(旗手 怜央、登里 享平、ジェジエウがそれぞれ1枚)というのは気になるところ。メンバーを大きく入れ替える可能性もある。選手全員が帯同して試合に向けた準備をしており、誰が出るかという点は注目ポイントになるだろう。
注目は、大邱戦で先発から外れていた小林 悠のパフォーマンスか。「なかなかACLで結果を残せていないので、すごく強い気持ちを持ってやっていきたい。まずは、強度というのを求めないといけない。そこは今まで自分たちがACLで失敗してきた、勝てなかった要因でもある」。これまでなかなか良い結果を残せていなかった川崎Fの歴史を一番よく知るのが小林であり、この言葉の意味は重い。彼の言う部分を全体が意識して、試合に臨むべきだろう。
たとえ相手に10代の選手が多かろうが関係ない。“誰が出てもフロンターレ”。そうした姿を日本にとどまるサポーターたちに届けられるか。
[ 文:田中 直希 ]