タイでの初戦は、新指揮官に就任したロティーナ監督の下で新たな取り組みを行っている真っ最中であり、まだまだ成長過程であることをうかがわせる内容だった。それでも開始15分に郷家 友太が先制ゴールを挙げ、ボールポゼッションで主導権を掌握。各選手が与えられた役割をこなし、思考を働かせながらポジショナルプレーを体現していく。後半は傑志に押し返され、ゴールに迫られる形も増えたが、貴重な2得点目を挙げた井上 潮音ら交代出場の選手たちも躍動感を見せた。
神戸は明治安田J1で開幕以来未勝利が続くなど、苦しいシーズンを送る。今季リーグ戦初出場が4月10日のJ1第8節・C大阪戦と出場機会に恵まれていなかった井上は「この大会をきっかけにチームとしても個人としても変わる大会にしようと思って臨んだし、1試合目をああいう形でスタートできて、個人としてもチームとしても良いスタートが切れたと思う」と成果を口にする。チームや選手は勝点3獲得とともに貴重な経験を得る試合となっている。
対するチェンライUは、第1節の傑志戦を0-1で落としており、この神戸戦は是が非でも勝点3が欲しい状況。初戦は前半のうちに先制を許すイヤな流れだったが、後半に入ると丁寧なボール回しやハードワークで流れを引き戻している。最終的にゴールこそ奪えず敗戦となったが、[4-4-2]のシステムを採用した組織的なサッカーは確かな力を伴わせている。
さらに2人の日本人選手に注目。傑志戦でボランチのポジションを務め、ビルドアップをリードしていたのは加藤 恒平。2017年には日本代表にも招集された経歴を持つMFで、鳥栖などJリーグクラブをはじめ数々の海外クラブで実績を残す。そしてもう1人は廣田 隆治。神戸のアカデミーで育ち、2012年にトップ昇格を果たしたアタッカーだ。 キレのあるドリブルやスピードに定評があり、タイの地で実現した神戸との対戦に強い思いをぶつけることは確実だ。
今節を前にロティーナ監督は「チャンピオンズリーグに出場するチームはどこも強いチームだし、われわれはボールを持ちながらゲームを支配する時間を増やしたい。相手もそうだとは思うが、相手よりもその時間が上回るようにプレーしたい」と意気込む。相手に地の利があることを認めつつも「それを言い訳にする必要はない。自分たちのすべてを出し切って戦うこと」と力強くコメントを発信した。
初戦から6日後の試合となるチェンライUに対して、神戸は中2日。戦術的な狙いと同時に選手個々のコンディションを見極めてロティーナ監督は先発11人を選択することになる。
[ 文:小野 慶太 ]