昨季の明治安田J1で3位に入った神戸と、2位だった横浜FM。確かな実績をもって臨んだ今季の両チームだが、リーグ戦ではそのポジションを異にしている。横浜FMはここまで勝点48を積み上げ、首位に立っている。さらに、消化しているゲームが1試合少ないにもかかわらず2位・鹿島と勝点5差としているなど、2019シーズン以来となるリーグタイトル獲得へ突き進んでいる。
これに対して神戸は開幕以来、下位に沈んでいる。昨季チームを3位に押し上げた三浦 淳寛元監督の下でスタートを切ったが、勝利に見放される状況が続いた。今季リーグ戦の初勝利はロティーナ前監督が率いた5月14日のJ1第13節・鳥栖戦。開幕から約3カ月を経てようやく勝点3を手にしたが、その後も厳しい戦いは続いている。
それでも、ACLの舞台では確かな粘り強さを発揮した。プレーオフからの出場となる中、3月15日に豪州の強豪・メルボルンVと対戦。得点を奪い合い、延長戦の末に4-3で競り勝った。まさに死闘と呼ぶにふさわしい戦いを経て迎えたグループステージはタイでの集中開催。中国の上海海港が出場を辞退したため、香港の傑志、タイのチェンライUと3つ巴の争いとなったが、着実に勝点を積んで首位突破を飾っている。
一方、横浜FMのグループステージは最終節まで予断を許さない厳しいものとなった。もともと、5つのグループの首位に加えて2位のうち上位3チームがノックアウトステージに進出するという条件だったが、上海海港の出場辞退で2位チームの成績計算に特別なレギュレーションが追加。各グループ2位チームの成績計算の際は、同4位との対戦結果は考慮しないこととなった。この影響もあり、最終節までに4勝1敗で首位に立ちながら横浜FMの突破は確定せず、対戦相手の2位・全北現代は通過が決まっているという奇妙な状況に置かれた。それでも最終節を1-1のドローで終え、首位でノックアウトステージ進出を決めた。
両者は今季、3月2日のJ1第10節で対戦している。西村 拓真が2つのゴールを挙げ、横浜FMが無失点で完勝を飾った。“残留”と“優勝”に邁進する両者は最終節で対戦することになっており、このラウンド16はそれぞれの置かれた環境を捉えても極めて興味深いマッチアップ。吉田 孝行監督体制となり、攻守にアグレッシブなスタイルを取り戻してきた深紅と、持ち前の攻撃的サッカーでJ1やアジアに存在感を見せつけるケヴィン マスカット監督率いるトリコロール。アジア制覇に野心を見せる両者には、今季のハイライトと呼べるようなスペクタクルなゲームを期待したい。
[ 文:小野 慶太 ]
