横浜FMの初優勝が懸かったAFCチャンピオンズリーグ決勝第2戦。アウェイに乗り込んだ横浜FMは第1戦から先発2人を入れ替え、出場停止明けの
上島 拓巳と
渡辺 皓太がピッチに送り出される。対するホーム・アルアインは第1戦から1人のみの入れ替えにとどめ、サイード ジュマを先発起用する。
コイントスに勝ったアルアインは第1戦に続いて、陣地の入れ替えを選択して開始。24,826人の大声援に後押しされたアルアインが勢いよく入ると、後手に回った横浜FMはCBが落ち着かない。すると8分、上島がソフィアン ラヒミをつぶし切れず、セカンドボールを拾われて抜け出される。そのままペナルティーエリア内に進入を許し、ヤヒア ナデルのヒールでの落としを受けたソフィアン ラヒミに右足で流し込まれ、早々に2戦合計2-2の振り出しに戻される。
その後も落ち着かない横浜FMは23分、ハリー キューウェル監督が
喜田 拓也を呼び、中盤をアンカーからダブルボランチに変更することを伝える。そのシステム変更で落ち着きを取り戻したかと思えた29分、ソフィアン ラヒミに抜け出しを許すと、
畠中 槙之輔がエリア内でチャージ。主審はソフィアン ラヒミのシミュレーションと判断し、イエローカードを提示する。ただ、VARが介入してオンフィールドレビューを経てPKの判定となる。33分、このPKをアレハンドロ ロメロに沈められ、2戦合計2-3と逆転される。
ただ、横浜FMもアルアインのスキを突き、すぐに1点を返す。40分、クアム クアディオの大きくなったトラップを見逃さなかった
ヤン マテウスが後ろからボールをさらい、鋭い切り返しで相手DFを振り切って左足で流し込む。
前半アディショナルタイムは10分。ハーフタイム直前、前に出た上島が相手の起点をつぶせず、カウンターを許すと、抜け出したソフィアン ラヒミをGK
ポープ ウィリアムが倒してレッドカードが提示される。数的不利となった横浜FMは
エウベルに代えてGK
白坂 楓馬を投入する。
横浜FMはハーフタイムに
榊原 彗悟を投入して[4-3-2]で構え、カウンターで対抗する策を選択する。ただ、アルアインのポゼッションに対してボールをなかなか奪えない時間が続き、63分、畠中が右ひざを痛めたタイミングでエドゥアルドと
山根 陸の2枚代えを行う。
そこで踏ん張り切れない。直後の67分、セカンドボールを拾われると、横浜FMの左サイドで受けたソフィアン ラヒミに
永戸 勝也が振り切られ、シュートがカバーに入ったエドゥアルドの足に当たってネットを揺らされる。
2戦合計3-4と再び勝ち越しを許した横浜FMは1点が必要となるが、保持に重きを置いたアルアインにうまく時計の針を進められる。78分の
宮市 亮の投入も効果なく、チャンスらしいチャンスはないまま、10分間の後半アディショナルタイムに突入する。すると、その10分の間で途中交代で入っていたトーゴ代表のコジョ ラバに立て続けにゴールを許し、2戦合計3-6。アジア初制覇を目指した横浜FMの夢は最後の最後でついえることとなった。
[ 文:大林 洋平 ]
横浜F・マリノス
MF 8
喜田 拓也
悔しさしかありません。マリノスに関わる方のすべての思いや気持ちを感じ取っていたので、この状況、この環境で勝ち切る力が足りませんでした。皆さんにアジアチャンピオンの景色を見せたかったし、アジアチャンピオンにさせたかった。申し訳なさ、悔しさでいっぱいです。それと同時にここまでの戦いは長かったし、苦しかったし、多くの方が携わってくれました。美談にするつもりはありませんが、感謝の気持ち、悔しさ、今日目に焼きつけた光景を忘れずに進みたいです。 --横浜FMらしさが出なかったのは何が原因だったのでしょうか。チームの成長にはつなげないといけませんが、それをいま話しても意味がないと思います。この環境や状況の下、発揮し切るチームの力が足りなかったのだと思います。それを全員で受け止めて全員で前に進まないといけません。そして、またここに戻ってくるしかありません。今までも全員で進んできたからこそ、この舞台に来たわけです。簡単に「次」と整理できませんが、糧にはして前に進んでいきたいです。 --この敗戦を未来のマリノスのためにどのように糧にしていきますか。前に進んでいくしかありません。どんなに悔しくても苦しくても止まってしまえば、それまでです。苦しくても一歩を踏み出さないといけません。数カ月後か、何年後か、何十年後かは分かりませんが、未来につながると信じてその一歩を踏ん張らないといけない。みんなで前に進んでいく、それだけです。
DF 27
松原 健
これがいまの自分たちの実力です。何が足りなかったかはまだあまり整理できていませんが、勝者のメンタリティー、10人になっても、もう一度はね返す力が僕たちには足りませんでした。 --横浜FMのスタイルを出せませんでした。そこはメンタリティーが要因だと思います。アウェイの雰囲気、日本と異なる環境、気候に対し、前乗りをして適応する時間はありましたが、僕も含めて緊張もあって、入りが重くなってしまいました。アグレッシブさを出せなかったのは少なからずあります。それを出せてこそのマリノスです。一概には言えませんが、これが実力だと思います。 --切り替えるのは難しいと思いますが、まだシーズンは続いていきます。前に進むしかありません。実質、中2日で大事なリーグ戦が控えています。自分たちがどう切り替えられるかを見られていると思います。ファン・サポーターの皆さんが遠いUAEの地にまで駆けつけてくれて、一緒に悔しい思いをしてくれました。マリノスファミリーとして戦ってくれている中、次のリーグ戦でこのテンションのままでプレーするのはあり得ません。ここでしっかりと切り替えて、イチからマリノスらしさを出していきます。
GK 31
白坂 楓馬
--どのような意識でピッチに入りましたか。FKの場面だったので、切り抜けて終わろうと思っていました。そして、皆さんがつないできた思いを何がなんでも形にしたいという思いで入りました。 --最後にミスが出て失点してしまいました。自分のミス。それだけです。 --ミスの現象としてはどのようなことだったのでしょうか。相手の足が見えていたので、どちらの足を使うかが気になってしまったのが正直なところです。ただ、気になったから何なのという話です。自分が相手ごと刈る気持ちでいけば、ボールは前に行ったり、味方につなげたり、外に切ることができたはずです。一番、最悪の形でした。難しいシチュエーションではなかったと思います。 --この経験をどうつなげていきますか。正直、皆さんの思いを壊してしまったとしかいまは思えません。今後、何ができるかは本当に大事です。自分がやってしまったことなので、何を言われようと受け入れて、前を向いてやれることをやっていきます。