ただ、神戸は現在、難しい局面に立たされている。ケガ人だ。ダメージを抱えた主力選手が複数いる状態で今季の開幕を迎えたが、15日の明治安田J1第1節・浦和戦では酒井 高徳という不可欠なプレーヤーが負傷交代。さらに途中出場したジェアン パトリッキも負傷するアクシデントに見舞われた。2人の状態は不明だが、ただでさえ選手が不足している状況下、追い打ちをかけるような苦難が到来。吉田 孝行監督の悩みは尽きない状況だ。
そうした中でも、明るい材料はある。浦和戦では飯野 七聖が主戦場の右サイドではなく、左ウイングで出場し、好プレーも見せた。キャンプから取り組んできたもので、「昔は左SBをやっていて、縦突破からのクロスは自分の得意な形ではあった。よりワイドを取って、ウイングバックみたいな感じで僕の特徴をハッキリ出しやすいのが左なのかなという手ごたえもあった」と前向きだ。
両ウイングが左右非対称な動き方をするのは神戸のアタッキングの特徴。「右も左もと両方をやりながら、は継続になると思う。どっちでも準備して、しっかり頭の中を整理して試合に臨みたい」と意気込みを語る飯野 七聖。これからどのような役割を任せられるかは指揮官の頭の中にあるが、背番号2は今節の意義をこう話す。
「限られた試合の中でチャンスの選手もいる。すべての試合がアピールになると思うので、しっかり勝って、全員が次のリーグ戦に食い込んでいけるようにアピールしなきゃいけない」 また、酒井 高徳が負傷交代したあと、右SBで奮闘したのが日髙 光揮。難しい試合展開の中、体を張った守備で貢献し、無失点で切り抜ける一翼を担った。野心をたぎらせる背番号44は胸の内をこう口にしている。
「(酒井 高徳の負傷は)チームにとってはネガティブなことですけど、そこを補えるような選手にならないといけないし、なれると自分では思っている。日頃の練習から違いを見せていって、監督、チームに信頼してもらえるような選手になりたい」 対する上海申花は昨季の中国スーパーリーグで2位になった強豪。リーグ戦開幕直前に開催される中国スーパーカップでは、昨季のリーグ戦とFAカップを制した絶対王者・上海海港を相手に、終盤の怒とうの連続得点で3-2の逆転勝ちを収めた。鋭い速攻は圧巻の迫力を持っている。そんな相手に対して、神戸は強気の姿勢を貫くことができるか。
また、神戸は明らかにメンバーが不足しているポジションもあり、出場可能な登録選手でやり繰りせざるを得ない。さらに予測不能のアウェイ戦だけに、これ以上のケガ人を出さないことも願わずにはいられない状況となっている。
[ 文:小野 慶太 ]