J1第4節・湘南戦を国内で戦ったあと、中2日の強行日程で臨んだ上海での第1戦。上海海港はリーグステージ第8節での対戦の際に採用した4バックではなく、[3-4-3]を選択し、対策を講じてきた。ただ、3トップを形成した“外国籍トリオ”の守備時の機動力が高くなく、横浜FMとしては「自分たちのSBにすごく時間ができた」(スティーブ ホーランド監督)。
その優位性が結果に表れたのは30分。右SBの松原 健のスルーパスに反応した植中 朝日が、ペナルティーエリア内での相手DFの背後からの寄せに耐える。クロスははじかれたものの、そのクリアボールをアンデルソン ロペスが押し込んだ。後半、決定機を仕留められなかったものの、守備陣の奮闘もあり、1-0のまま終了した。
第1戦で1点のアドバンテージを得た横浜FMだが、第2戦の舞台となる横浜国では今大会を通じて圧倒的な戦績を収めている。目下ACLE6連勝中だが、ホーム戦に限ってもリーグステージを4戦全勝かつ無失点で終えた。1点リードに加え、ホームアドバンテージがあるのは明白だろう。
ここからはそのアドバンテージを念頭に、戦い方を展望したい。まず気になるのが上海海港のシステム。第1戦で採用した3バックは“急造”の側面があり、2月のリーグステージでも採用した基本布陣である[4-3-3]に比べれば、練度はいまひとつだった。その一方、3トップの両ワイドが絞り気味の位置を取り、距離感が近くなったことで、アバウトなボールからでも個の力でフィニッシュに持ち込まれる場面もあった。やはり浦和などで活躍したレオナルド、全北現代(韓国)で天野 純と同僚だったグスタボの個のパワーは警戒しなければならない。
第1戦は上海海港も連戦中だったため、システム変更は疲労の影響だったのか、それとも横浜FM対策に主眼を置いてケヴィン マスカット監督が決断したのかもハッキリしない。横浜FMとしては第2戦も4バックとの両構えで対応しなければならず、最初の5分、10分の試合の入りは特に注目だ。
そして、冒頭でも触れたが、横浜FMの指揮官を2023年限りで退任したケヴィン マスカット監督の“凱旋試合”である。言うまでもなく、第1戦後に多くの横浜FMの選手、スタッフが挨拶に向かった元指揮官は、J1タイトルをもたらしてくれたクラブの功労者。勝利を譲れないのはもちろんだが、“ノーサイド”の試合後はサポーターも交えた温かな光景が見られるかもしれない。
[ 文:大林 洋平 ]