会場は明治安田J1で戦う徳島の本拠地である鳴門・大塚スポーツパーク ポカリスエットスタジアム。そこへ乗り込んでくるのは、JFL所属の高知ユナイテッドSCだ。
まず、注目は高知ユナイテッドSCだろう。天皇杯1回戦では、J3で戦う同じく四国勢の讃岐から白星を挙げてコマを進めた。指揮を執る西村 昭宏監督は、「天皇杯は1年に1回の舞台。今回は1回戦からJリーグのチームと対戦する機会をもらえた。われわれは公式戦でJリーグのチーム相手に勝ったことがなかった。高知として初めてJリーグのチームに勝てた」と選手たちの頑張りを称賛した。讃岐戦は[4-4-2]で臨み、前線からの守備にも積極的に挑戦しながら、ボールポゼッションも織り交ぜた。特に前半の終了間際からは高知ユナイテッドSCが優位性を持つ時間が増え始め、カウンターから好機を創出する場面も出てきた。そして、良い流れをつかんで後半に入ると、右SBの藤井 義治が「いつもならクロスを上げていた場面だったけど、今日はゴールしか見ていなかった」と攻撃参加をして決勝ゴールを挙げた。
試合後の会見では「2回戦はJ1の徳島との対戦になるが?」という質問も挙がり、西村監督は「どこまで通用するか、真正面からぶつかっていきたい。どういう形になるか分からないが、われわれには失うものがない。選手がやりたいようにやらせてやりたい」と真っ向勝負で臨む様子だ。
次は、徳島に目を向ける。
ダニエル ポヤトス監督の本格合流から約2カ月が経過する。現在は代表ウィークやAFCチャンピオンズリーグによる日程変更の影響で、すでにリーグ戦を消化した試合が重なる期間にあたり、リーグ戦再開まで約3週間を与えられた。コロナ禍の影響で合流が遅れた指揮官にとっては、この3週間がプレシーズン同様に大切な期間にあたる。2部練習を組み、戦術整備や、公式戦さながらのインテンシティーの高い練習が続いており、この天皇杯2回戦はその進ちょく度を確かめることができる場にもなりえそうだ。若手主体の編成が予想されそうだが、リーグ戦を見据えたメンバーという可能性もあるだろう。最終的にダニエル ポヤトス監督がどうのような思考でオーダーを組んだのか、いつも以上に発表が楽しみである。
当然ながら、勝利が約束された試合など存在しない。ただ、カテゴリーの差を考えれば、徳島はその違いを表現しなければならない。そして、チャレンジ精神を持って、プレーでもメンタルでも上回れるかどうか。
Jクラブの讃岐を倒して勢いに乗る高知ユナイテッドSCは、二度目のジャイアントキリングなるか。組織力の積み上げに挑戦中の徳島は、さらなる進化を見せられるか。四国勢同士の熱い戦いが間もなくキックオフされる。
[ 文:柏原 敏 ]


