福島は2016年以来10回目の天皇杯出場となる。2017年以降は福島県予選でいわきに敗れ続け、本戦出場を逃してきた。
今季いわきがJ3に参入し、くしくも5月4日にリーグ戦、8日に天皇杯福島県予選決勝と連戦になったことで、福島、いわき両サポーターだけでなく、県民を挙げて大きな盛り上がりとなり、リーグ戦では4,501人という福島のJ3リーグ主催試合史上最多の観客動員を記録した。この試合はいわきが終盤にセットプレーで先制し、1-0で勝利した。
福島はその悔しさを胸に、8日の再戦に挑んだ。29分には、北村 椋太のクロスから長野 星輝が先制ゴールを決めた。その後はいわきが猛攻を仕掛けたが、福島はGK山本 海人のファインセーブをはじめ、選手全員が体を張った守りを見せ、得点を許さない。そのまま1-0で勝利し、リーグ戦でのリベンジを果たした。そして、何年も苦しみ抜いてつかんだ天皇杯の切符。一戦一戦、大切に戦っていきたいところだ。
福島は堅守とバリエーション豊かな攻撃を武器に明治安田J3では2位と躍進。今季就任した服部 年宏監督が若い選手を競わせながら、悲願のJ2昇格へとチームを導こうとしている。直近のリーグ戦も鳥取に4-0と完勝。エースストライカー・高橋 潤哉はこの試合で2ゴールを挙げ、今季6ゴールと絶好調。北村や上畑 佑平士、森 晃太などプレースキッカーのキック精度も高く、ターゲットマンとなる長身の大武 峻も得点源として活躍しており、セットプレーも脅威だ。リーグ戦の勢いをそのままに、まずは1回戦をしっかり勝利したい。
一方のノースアジア大は横浜FM、G大阪、柏などで監督を務めた早野 宏史氏が2019年から総監督を務める。地道な強化が実り、昨季は東北大学リーグ2部北で優勝し、1部昇格を果たした。今季の東北大学リーグ1部開幕戦では、強豪の仙台大に引き分けるなど、地力のあるチームに育っている。そして天皇杯も初出場。上昇ムードに乗っている大学チームだ。
秋田県予選決勝で2ゴールを挙げた清明学院高出身のMF内垣 祥一(2年)や、1ゴールを挙げた相模原U-18出身FW李 昌禧(3年)といった攻撃のタレントの活躍が期待される。また、今季のリーグ開幕戦・仙台大戦でゴールを挙げた帝京長岡高出身DF櫻井 陽斗(2年)はもともと攻撃の選手だったこともあり、守備だけでなく攻撃センスも高い。今回はJ3のチームを相手にどれだけやれるか注目されており、選手のモチベーションも非常に高いことだろう。
勝利すれば6月1日に浦和と対戦することになる。J1クラブとの貴重な対戦機会を得るため、両チームとも全力でぶつかり合う。
[ 文:小林 健志 ]
