2年連続13度目の出場になる富山は3回戦進出が最高記録。J3降格後は県代表として五度出場して、すべて1回戦を突破しているが、いきなりJ3勢と対戦するのは初めて。富山県西部の高岡市で開催される地の利も生かして、難敵を退けたい。
一方の藤枝は激戦の静岡県予選を勝ち抜いて、7年ぶり四度目の出場。前回出場した2015年度に初勝利を挙げ、2回戦ではいまも在籍する大石 治寿の2得点などでJ1の清水を4-2で撃破した。続く3回戦の山形戦でも大石が先制点を挙げたが、1-2で逆転負け。山形を率いていたのは現富山の石﨑 信弘監督で、同じく現富山の川西 翔太が同点ゴールを決めている。
富山には2020年まで藤枝でプレーした吉平 翼、姫野 宥弥、安藤 由翔も在籍しており、中心選手として活躍している。藤枝はリーグの富山戦で最近5試合勝ちがなく(1分4敗)、因縁浅からぬ敵にここで1つ借りを返しておきたい。
約1カ月前の対戦では富山がハイプレスで主導権を握り、前藤枝の3人衆が2得点に絡んで勝利を引き寄せた。富山はそれまで4戦勝ちなしと苦しんでいたが、これで息を吹き返して調子を上げ、先週の前節・YS横浜戦は5-1で圧勝している。
5月8日の天皇杯富山県予選決勝・富山新庄クラブ戦で、リーグ戦でプレー機会の少なかった選手を多数起用したこともチームの活性化につながった。延長戦までもつれる辛勝だったが、実戦の緊張感を経験して、選手のコンディションが上がっている。その試合が加入後初の公式戦だった元U-17ブラジル代表FWルイス エンリケはいきなり決勝点を挙げた。同じく初先発だったアルトゥール シルバは翌週のYS横浜戦で初得点を記録。ルーキー・神山 京右はDF陣のポジション争いに食い込む勢いを示している。
藤枝も天皇杯静岡県予選がチーム作りに好影響を与えたようだ。4月24日に行われた天皇杯静岡県予選準決勝で静岡産業大に延長の末に4-2で競り勝つと、J3では第7節、8節で強敵の北九州、岐阜に連勝。続く5月8日の天皇杯静岡県予選決勝でライバルの沼津を下して、公式戦4連勝を飾った。この間に土井 智之が4試合連続得点をマークしている。アウェイでのリーグ前節・いわき戦は後半に2点差を追いついて引き分け、富山戦以降は負けなし。勝ちながら自信をつけ、持ち味とするパスワークの練度が上がっている。
富山のハイプレス、藤枝のパスワークの真っ向勝負が楽しみ。富山は先週のYS横浜戦でセットプレーだけで3得点を挙げており、ここでの攻防も焦点になる。どちらもJ2昇格を今季の目標に掲げており、リーグ戦にはずみをつけるためにも勝利は譲れない。
[ 文:赤壁 逸朗 ]