秋田のホーム・ソユースタジアムでの一戦は、3-3と点の取り合いとなった。ただ、内容を見れば東京Vが途中まで圧倒していた。ボールが走らないピッチを鑑みつつ、長短のパスで秋田を攻略。58分までに3点のリードを奪う。ただ、65分に井上 直輝が決めたゴールから流れがガラッと変わり、秋田がセットプレーの流れから得点を重ねて追いついたゲームだった。どちらにも、良い思い出と悪い思い出が残る試合と言えるだろう。
東京Vも秋田も、その後1分1敗と勝利を挙げられていない。東京Vは5戦勝利なし、秋田は3戦勝利なしでこの一戦を迎える。
「秋田さんはそんなに変わることなく、秋田さんのやり方でくると思う。それに対して、自分たちもヴェルディのスタイルで進められればと思う」。東京Vの堀 孝史監督はそう展望した。主将の平 智広も「前線にロングボールをシンプルに入れる。そこからサイドに展開してクロスで攻めるイメージ。FWには競り合いに強く、スピードの速い選手などを置いてくる」と秋田の印象を語る。「ロングボールにはしっかり対応したい」。宮本 優が語るように、注意するポイントは明確だ。「守備では、細かいところをいかに90分やり通せるかだと思う」(宮本)。球際やセカンドボールの争いで上回り、東京Vらしいパス回しからチャンスを量産していきたい。その先に、公式戦6試合ぶりの勝利がある。
「カジくん(梶川 諒太)を中心に声をかけているが、もっとみんなが声を出していいと思うし、鼓舞する声を全員が出していけばチームはより1つになる。声かけはしていきたいし、周りにもしてほしいと思う」(平) 公式戦5連戦の4試合目、出場が続いていた梶川らのコンディションを考慮してメンバーが入れ替わることも予想される。また、U-21日本代表招集で山本 理仁、馬場 晴也が、インドネシア代表招集でアルハンを欠くが、1つになってこの難局を乗り越えたい。
秋田は5月29日に町田GIONスタジアムでJ2第19節・町田戦を戦い、再び東京の地で戦う試合となる。町田戦は前半の2失点が響き、6試合ぶりの敗戦となった。ただ、吉田 謙監督は「真ん中を崩された、組織を崩されたシーンはなかったと思う」と振り返る。「より一層、ひたむきにチーム全員でプレーしていきたい。強気でプレーするチームを目指したい」(同監督)。自信を持って、再び東京Vにぶち当たるのみ。前回の対戦後は、「良い守備から良い攻撃。まずそこの基本を自分たちで修正して、後半で表現できた」と指揮官は語っていた。その後半で見せた戦いを披露するため、まず東京Vの攻撃を一体となってはね返すことから始めたい。
局面でバチバチと音のするようなバトルが見られそうだ。
[ 文:田中 直希 ]
