ホームスタジアムである、タピック県総ひやごんスタジアムで大会初戦を迎える琉球は、天皇杯15回目の出場。沖縄県1部リーグ時代の2004年と、九州リーグを戦った2005年に達成した3回戦進出がこれまでの過去最高記録となる。直近においてはなかなか目覚ましい結果を残せておらず、2016年大会に宮崎県代表のホンダロックSCに1-0で勝利して以降、新型コロナウイルス感染拡大の影響により出場が除外された2020年を除き初戦敗退が続いている。前回大会は松本に0-1で惜敗し、経験を積む絶好の機会を早々に手放した。
チームの底上げを図る上でも重要な位置づけとなる天皇杯だが、やはり琉球にいま欲しいのは勝利を追求し喜びを味わう体験。J2では第19節が終わった段階で3勝にとどまっており、第16節・栃木戦で勝利して以降3試合勝星に恵まれていない。徐々に喜名 哲裕監督が目指す攻守にアグレッシブなサッカーは展開されつつあるが、接戦をモノにできない試合はたびたび見られ、直近の第19節・徳島戦でも二度のリードを奪ったが3-3で終え、勝つ難しさを思い知る。徳島戦終了後、「しっかりリカバリーして、天皇杯に照準を合わせてやっていきたい」と話した喜名監督。現状打破へのきっかけを天皇杯で。その姿勢はチームとして強く持っているはずだ。
対する大宮は、J1所属時代の2005年と2016年にはそれぞれベスト4入りを達成している。ただ、ベスト8に進出した2017年以降は3回戦進出止まりが続いており、前回大会は千葉を相手に0-1で敗れ、2011年大会以来となる初戦敗退となった。
大宮も今季は苦しんでおり、リーグ戦はここまで4勝と低空飛行。直近のJ2第19節・東京V戦から指揮官が代わり、昨年まで鹿島を率いた相馬 直樹監督が就任したばかりである。そしてわずか2日間の準備期間しかない状況で迎えた東京V戦は、「守備しか整えることができなかった」と相馬監督。リードを許して後半を迎えたが、8試合ぶりの出場となった奥抜 侃志が同点弾。結果は引き分けたものの、シュート本数で相手を上回り、追い上げムードは確実に見られた。「今までと同じではなく、変わっていくものを見せよう」という相馬監督の声は、選手たちへ早々に浸透しそうだ。
今年に入り、琉球と大宮の対決は今回で三度目となる。一度目はリーグ開幕前の練習試合で、45分間のみのゲームではあったが大宮が2-1で勝利。そして5月25日のJ2第18節も、大宮が1-0で制している。琉球としては同じ相手に三度も負けるわけにはいかない。一方の大宮も、目の前の試合に勝利し、リーグ戦に向けて勢いづきたい思いもあるだろう。互いが渇望する勝利。感情もぶつかり合うようなモチベーションの高い熱戦を期待したい。
[ 文:仲本 兼進 ]
