直近のリーグ戦では今季初の3連勝と結果を残し、上位との差を詰めることに成功したC大阪。「キャンプからやってきた攻守の引き出しの中で、どの引き出しを全員で共有して使うのか、全員が同じデザインを共有できている」と小菊 昭雄監督も手ごたえを語るなど、チームの成熟度は増してきた。
ただし、過密日程の中、ほぼ同じスタメンで戦い続けたことで選手の疲労は否めない。湘南戦後、「リーグ戦の連戦で蓄積疲労もありますので、次の天皇杯は、大阪に残って一生懸命トレーニングしているフレッシュな選手たちにチャンスを与えたい」と明言した指揮官。湘南戦のベンチメンバーも含め、先発は大幅に入れ替わることが濃厚で、チームの総合力が問われる。湘南戦では途中出場で試合を決める2点目を挙げた加藤 陸次樹も、「層が厚い、強いセレッソを見せたい」と語るなど、出場機会に飢えたモチベーションの高い選手たちのプレーに期待がかかる。
もう一方のカップ戦となるJリーグYBCルヴァンカップではグループステージ突破を果たしたC大阪。これは、“サブ組”が果たした役割も大きく、チーム全体の底上げはなされている。ただし、ルヴァンカップAグループ第6節・大分戦では、成熟を深めていない11人で構成されたチームで挑むと、ピッチ内での戦い方の意思統一がハッキリせず、相手に主導権を握られる時間も長かった。今回の試合では、あの試合の教訓を生かすことも求められ、しっかりと攻守に狙いを定めて試合に入り、リーグ戦で見せている一体感を継続していきたい。
一方、J1チームに挑む関西大は、6年ぶり17回目の天皇杯出場。代表を決める大阪府予選決勝では、JFLのFC大阪を2-0で破り、1回戦では関西リーグ1部に所属するアルテリーヴォ和歌山に4-2で勝利して2回戦進出を決めた。
関西大を率いる前田 雅文監督は、選手時代にG大阪などで活躍。J1リーグ通算1万ゴール目を決めたことでも知られている。当時の“ライバル”を相手に、指揮官としてジャイアントキリングを目指す。選手個々でも、西村 真祈に前田 龍大と、C大阪アカデミー出身の選手も在籍しており、彼らにとってもこの試合は特別な一戦になる。そうした選手一人ひとりにとって、プロと対戦する天皇杯は一気にその名を挙げるチャンス。戦うことだけに満足するのではなく、「蹴念」の横断幕を掲げて応援するサッカー部員全員を含め、強い気持ちを持って勝利を目指す。
過去には98回大会で関西学院大がG大阪を破るなど、しばしジャイアントキリングが起こるのが天皇杯。C大阪の自力と意地が勝るか、関西大のチャレンジ精神と高いモチベーションがプロを凌駕するか。注目の対決は、6月1日、ヨドコウ桜スタジアムにて19時キックオフとなる。
[ 文:小田 尚史 ]


