福岡は現在、明治安田J1で10位につける。第17節から3試合で8失点と自慢の堅守が影を潜め、その間は勝利なし。しかし、第20節・磐田戦では山岸 祐也の挙げたゴールにより1-0で勝利を奪うと、直近の公式戦となった第21節・京都戦でも山岸が奪った1点を最後まで守り切り、得意の“ウノゼロ”で2連勝。最大の特長と言える堅守を取り戻している。
今大会のここまでの戦いを振り返ると、初戦となった2回戦では沖縄県代表の沖縄SVと対戦。3-0で快勝を飾ると、3回戦ではJ2の岩手と対戦。先制しながら追いつかれるイヤな流れとなったが、終盤に2得点を奪い、粘る岩手を振り切ってラウンド16進出を決めている。
対する長崎は現在、J2でJ1参入プレーオフ圏内となる5位につける。第18節・千葉戦での敗戦を最後に、リーグ戦では8試合負けなし、公式戦では10試合負けなしを継続中。この間に松田 浩監督が退任となり、原田 武男・長崎U-18監督が暫定的に指揮を執った公式戦3試合を経て、ファビオ カリーレ新監督にバトンが渡されている。しかし、直近の公式戦となった第26節・岩手戦では、前半に2点を先行しながら後半に失速。2点のリードを生かせずに引き分けに持ち込まれてしまった。
天皇杯では、初戦となった2回戦で鹿児島県代表の鹿児島と対戦。J3首位を相手に苦戦を強いられたが、決定力の差を見せる形で1-0の勝利を収めた。続く3回戦では、J1のFC東京と対戦。立ち上がり早々に失点を喫したが、逆転に成功。その後、追いつかれて延長戦までもつれ込むが、最後はクリスティアーノが決勝点を奪い、120分の激闘の末に下克上を達成している。
両者の対戦は福岡がJ2を戦っていた2020年以来、2年ぶりとなる。2015年のJ1昇格プレーオフ準決勝も含めて、これまで公式戦で13回顔を合わせているが、結果は4勝5分4敗とまったくの五分となっている。ただ、トランスコスモススタジアム長崎では、福岡が2勝3分1敗とわずかながらリード。長崎とすれば、最後の対戦となった2020年のJ2第22節で、昇格を争う上位直接対決で敗れているだけに、そのときの借りを返したい一戦だ。
今大会、ここまでの戦いではともに積極的にターンオーバーを実行してきている。今回も直近のリーグ戦から中2日というタイトな日程での試合となるだけに、大幅な入れ替えが濃厚だ。特にケガ人が相次ぐ長崎はまさに総力戦。3回戦では2種登録選手たちも起用しており、今回も同様のケースが想定される。福岡としては、すでにベスト8進出を決めているJリーグYBCルヴァンカップに続き、クラブ初タイトルに向けて天皇杯でも歩を進めることができるか。2年ぶりの“九州ダービー”は総力のぶつかり合いとなる。
[ 文:杉山 文宣 ]