熊本は初のベスト4が懸かる。J3琉球と対戦した2回戦では0-2から追いつき、延長戦、PK戦の末に勝利を挙げた。3回戦ではJ1鳥栖を相手に、17歳の道脇 豊が2得点を挙げて逆転勝ち。同じくJ1のFC東京と対戦したラウンド16では、いずれもFC東京の育成組織で育った平川 怜と松岡 瑠夢が得点を決め、初めてラウンド16の壁を突破した。
リーグ戦では後期に入って勝利がなく、現在勝点34の20位と、過去最高のJ2・4位でシーズンを終えてJ1参入プレーオフ決定戦まで進んだ昨季とは対照的な成績になっている。リーグ前節・いわき戦では、同じ勝点のいわきに先制されるも、前半のうちに逆転に成功。しかし、後半に3失点を喫し、連敗となった。
中2日で臨むこのゲームに向けては、フィジカルコンディションの回復と合わせて、メンタルをしっかり立て直せるかが焦点。短いインターバルでのリーグ連戦においても大木 武監督は先発を大きく変えることはなく、ここまでの天皇杯も同様だったが、リーグ前節の内容と結果を踏まえると、今回は一部変更の可能性もありそう。総力でリーグ戦残り10戦につながるようなゲームにしたい。
一方の神戸は、前回大会に続いての準々決勝となる。2回戦はJ3長野に3-1、3回戦はJ2磐田に5-2、ラウンド16はJ2甲府に4-1と、いずれも攻撃力を見せつけて順当に勝ち上がってきた。ただ、3戦とも失点しているほか、先制を許した甲府戦後には吉田 孝行監督が「一人ひとりに緩さがあった」ことを指摘。後半から武藤 嘉紀、大迫 勇也らを投入したことでペースを引き寄せて4得点を挙げたものの、初優勝を遂げた2019年度大会以来4大会ぶりの頂点を狙う以上、ここから先は同じ轍を踏むわけにはいくまい。
リーグ戦では序盤から上位を維持してきたが、直近2試合を引き分けており、勝点1差で横浜FMに首位の座を明け渡している。とはいえ、先週末のリーグ前節・FC東京戦では後半アディショナルタイムに入って二度追いつく粘りを見せており、負傷による長期離脱が発表された齊藤 未月のためにも、リーグ制覇との2冠をとの思いも強いだろう。
神戸もリーグ前節から中3日とあって先発を一部入れ替えると思われるが、個々の能力やお互いのチーム状況を踏まえても、盤石の試合運びで準決勝進出を決めたいところだ。
熊本と神戸の対戦は2013年のJ2最終節以来。くしくもこの試合が吉田監督の現役ラストゲームとなり、吉田監督のゴールを含む3-0で神戸が完勝している。10年のときを経ての再戦で、J1勢を倒してきた熊本が三たびのアップセットを起こすのか、それとも神戸が格の違いを見せるのか。攻撃に強みを持つチーム同士の対戦は最後まで目が離せない展開になりそうだ。
[ 文:井芹 貴志 ]


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