まずは神戸について紹介していく。
2回戦・富山戦では宮代 大聖、ジェアン パトリッキが1点ずつを挙げて快勝。同じく富山と対戦したJリーグYBCルヴァンカップ1stラウンド3回戦ではPK戦で痛恨の敗戦を喫していたが、天皇杯では19本のシュートを放つなど「前半から自分たちのサッカーができたと思いますし、次に進むことが大事だと思うので、内容も結果も良かったと思っています」(吉田 孝行監督)と貫禄勝ち。
明治安田J1では4位につけており、得点数はリーグ5位、失点数は同最少タイと、バランスのとれた戦いを見せている。基本布陣を[4-3-3]とし、チームスタッツとしてはクロス数がJ1で最も多く、個人スタッツとしてはSBの酒井 高徳と初瀬 亮がクロス数で上位に名を連ねる。また、チームとしてのドリブル数も上位に位置しており、その内訳としてはウイングの武藤 嘉紀やインサイドハーフの宮代 大聖が多い。ライン間で受けられる宮代が前を向いて前進し、サイドでは武藤やジェアン パトリッキが運び、1トップの大迫 勇也は得点力の発揮だけではなくスルーパスでチャンス構築にも関わることができる。中からも外からも前進でき、攻撃は二の矢も三の矢もバランスよく設計されている。最近のリーグ戦では負傷離脱者等の影響もあって出場選手のアレンジはあるが、リーグ前節・広島戦(3○1)のように誰が出場しても勝ち切れる本質的な強さがある。
次に徳島について。
4バックでシーズンインしたが、指揮官の交代もあり、増田 功作監督就任後は主に3バックでの戦いに変更。2回戦・仙台戦は90+3分に渡 大生の決勝ゴールが生まれて劇的に勝利。試合後、神戸戦に向けて増田監督は「(昨季のJ1で)リーグチャンピオンになっているチームなので胸を借りるつもりで挑みますが、自分たちもファイティングポーズはとりながら、しっかりと結果を出せるように準備をしたいと思います」と言葉にし、選手も「なかなかない機会なので、しっかりチャレンジしたいと思います」(内田 航平)と意気込んでいた。
J2では12位につけている。シーズン序盤に最下位の期間が続いたことを考えると、着実に状態は改善していると言える。ダブルボランチがボールを握りながらサイドが活性化した試合では、アタッキングサードに進入できる回数も増加傾向にある。また、前線にはブラウン ノア 賢信のように背後を取るスピードに特長のある選手や、得点を取る力に秀でている棚橋 尭士、昨季12年ぶりに復帰を果たした柿谷 曜一朗のような違いを作り出せる選手もいる。
両者とも過密日程で、総力戦の一戦になること必至。
この一戦を終えると、徳島は中3日でホームでのJ2第24節・仙台戦が、神戸は中2日のアウェイ、それもデーゲームでJ1第23節・札幌戦が控えている。神戸は徳島以上にコンディションの考慮が必要だろう。
ラウンド16にコマを進めるのは神戸か、徳島か。
[ 文:柏原 敏 ]


