まずは、ホームの徳島について。
徳島は昨季のJ2で勝点84を積み上げてクラブ初優勝に輝いた。攻撃ではリーグ2位の67得点、守備ではリーグで2番目に少ない33失点。攻守のバランスがとれた戦いで、安定した試合運びと勝負どころでの爆発力を発揮して勝点を積み上げ続けた。そのカギとなったのは、チームの根幹にあるボールを保持して主導権を握る戦い方。攻撃面の利点だけではなく、ボール保持率を高めながら守備の時間を減らして前述の結果を導き出した。また、決して個の能力が突出した選手が多いわけではないが「Aggressive/攻撃的、Collective/組織的、Dynamic/躍動的」(岸田 一宏社長)のクラブ哲学を基に「われわれは個に依存せずに戦い抜いて昇格できた。集団性を意識して成果を上げてきた。その成果をJ1でもトライしたい」(岡田 明彦強化本部長)とここまで来た。カテゴリーが上がったことで難易度は上がるが、J1昇格に導いたリカルド ロドリゲス監督(現・浦和)が退任したあとも、新たに招聘したダニエル ポヤトス監督の下で組織だった戦術構築に継続して取り組んでいる。
そして、ホーム開幕戦と言えば大きなトピックスがある。
J1初挑戦した2014年、徳島は残念ながらホーム未勝利に終わった。その歴史を塗り替えるべく、全徳島県民の思いを背負って突き進む。
次は、神戸について。
リーグ戦、カップ戦にかかわらず盤石な戦いぶり。また、ルヴァンカップの大分戦では増山 朝陽や中坂 勇哉といった若手も得点という形で結果を残した。「昨季よりもチームの底上げは進んでいるのかなと思います。リーグ戦を含めてよく試合に出ている選手が何かトラブルがあったときにも、自信を持ってプレーできる選手がたくさん増えています」(三浦 淳寛監督)と高いレベルの中で組織力強化も進む。
注目選手の多い神戸ではあるが、徳島戦に焦点を当てるとすれば3人の選手を紹介したい。
1人目が大﨑 玲央。神戸加入以前は徳島に約1年半在籍。隣県ということもあって移籍後も徳島県を懇意にしてくれているようだ。今週はアウェイ開催のルヴァンカップに出場しているため帯同は不明だが、その姿を鳴門・大塚スポーツパーク ポカリスエットスタジアムでも見てみたい。2人目が、ドウグラス。Jリーグでは言わずと知れた外国籍選手だが、その日本でのキャリアは徳島から始まった。徳島が初昇格を果たした2013年を振り返っても、ドウグラスが立役者の1人。3人目が、先ほども名前を挙げた中坂。この並びで「中坂?」と思われる方もいるかもしれないが、徳島県出身で少年時代は地元クラブチームで腕を磨いた。その現在地を一目見たい徳島県内のサッカー関係者も多いことだろう。
勝利するのはホームの徳島か、はたまた神戸か。間もなくキックオフ。
[ 文:柏原 敏 ]


