昨季は明治安田J2で15位と低迷した水戸だが、今季はリーグ序盤から好調を維持し、現在4連勝中でJ1昇格プレーオフ圏内の3位まで浮上。攻守においてアグレッシブなスタイルを構築し、試合を重ねるごとに強さを発揮できるようになっている。
4連勝を振り返ると、ゴールデンウィークに行われた第13節・藤枝戦と第14節・山口戦は、中2日のアウェイ連戦というハードスケジュール。いずれの試合も相手の勢いに押される苦しい戦いを強いられながらも、粘り強く戦ってきっ抗した展開に持ち込み、少ないチャンスを決め切って勝利を収めた。
そして、ホームで行われた第15節・秋田戦と第16節・熊本戦では水戸が攻め込む展開に持ち込みながら、相手の粘り強い守備によって攻めあぐねる展開が続いた。それでも、いずれの試合も後半アディショナルタイムに劇的な勝ち越しゴールを奪って勝利を手にすることに成功。そうして8年ぶりの4連勝を飾った。
相手に攻め込まれても、守りを固められても、勝利を手にした経験は若い選手が多いチームにとって、大きな財産となることだろう。今後に生かして、さらなる高みを目指したい。
大会は異なれども、この試合はリーグ戦で作り出した流れをさらに大きくするために挑む一戦となる。J3チームが相手とはいえ、リーグ戦同様、「自分たちのやるべきことをしっかりやり切らないといけない」(山本 隼大)と選手たちは声をそろえる。攻守においてハードワークをいとわず、1対1やセカンドボールの争いでも上回らなければならない。そうした“フットボールの本質”で相手を凌駕することが勝利の条件となる。そして、それこそが水戸の原点であることを再確認してこの一戦に挑みたい。
リーグ戦から1週間空くこともあり、試合のリズムを大切にするためにリーグ戦の主力メンバーで臨むことも考えられるが、出場機会に恵まれないメンバーを起用することも十分考えられる。その中で期待されるのはフレッシュな戦力の台頭。秋田戦ではケガで離脱後、約11カ月ぶりに先発出場を果たした寺沼 星文がゴールを挙げ、熊本戦ではケガによって昨年3月以来のリーグ戦出場となった杉浦 文哉が終了間際に勝ち越しゴールを決める活躍を見せた。彼らに続く、新たなヒーローの誕生に期待したい。
神奈川県代表として今大会に挑む相模原は現在J3では14位と、なかなか上位に浮上できずにいる。昨季途中に就任したシュタルフ 悠紀リヒャルト監督の下、さまざまな可変システムを用いた攻守において流動的なサッカーを繰り広げており、目指すスタイルには着実に近づいている。「相模原はマンパワーがある選手がたくさんいる」と水戸の山本 隼大が警戒するように、島川 俊郎や田代 真一、武藤 雄樹といったJ1で活躍した経験を持つ選手たちが現状を打破しようと士気高くこの一戦に挑んでくることだろう。J2チームを倒し、自信と勢いを手にしたい。
[ 文:佐藤 拓也 ]