リーグ戦で白星から遠ざかっている富山だが、課題の攻撃面が上向くなどゲーム内容は徐々に良化している。21日のJリーグYBCルヴァンカップ1stラウンド3回戦・福岡戦でも、1-2で敗れたもののチャンスを数多く作って一昨季の覇者をあと一歩のところまで追いつめた。
そのルヴァンカップでは1回戦で千葉、2回戦で前年優勝の名古屋を下している。前回大会でもJ1王者の神戸を破ってJ3勢で唯一プレーオフラウンドに進んだように、格上相手の一発勝負に強い。逆に挑まれる側の難しさもよく理解しており、油断はない。昨年度の天皇杯1回戦も今回と同じ高岡スポーツコア サッカー・ラグビー場を会場とし、大阪府代表の関西大と対戦。運動量や球際、攻守の切り替えといったプレー強度で上回って3-0の快勝を収めている。今回も基本をおろそかにしないプロフェッショナリズムを示したい。小田切 道治監督は「学生には勢いがある。自分たちが格上と戦うときのように粘り強くやってくるのは間違いない。リーグ戦と同じ1試合と位置づけて、勝つための準備をしっかりして臨みたい」と話している。
プロ4年目のGK平尾 駿輝は、履正社高の同級生で、現在は順天堂大のサイドハーフとして活躍している竹腰 智也との対戦を楽しみにしている。「一緒に頑張った当時の仲間とこうやって試合ができるなんて……。良いですよね」と喜びをかみしめている様子。「彼は僕らの先輩でもある湘南の平岡 大陽さんを目標に練習を重ねていた。大学でどれだけ成長しているのか楽しみだし、自分も富山で成長したところを示したい。難しいゲームを覚悟している。相手が大学生だと考えず、リーグ戦と同じように細部にこだわって戦わなければならない」と語った。
順天堂大は1987~89年に全日本大学サッカー選手権大会で3連覇をしたこともある名門で、数々の名選手、指導者をこれまで輩出してきた。OBで2015年から帝京高監督を務めていた日比 威監督が昨年から指揮を執り、今春も卒業生3人がJ2クラブに進んでいる。
過去の天皇杯では2021年に延長戦の末に小林 里駆(現・高知)の決勝ゴールでFC東京を下して3回戦に進出。2007年にも3回戦で仙台を延長戦で破っている。今年度の千葉県予選は3試合で無失点、うち2試合をPK戦の末に制して代表決定戦へ進出。JFLのブリオベッカ浦安・市川との代表決定戦でも1-1でPK戦までもつれ、GK金田 大和(柏U-18出身)が相手の6人目のキックをセーブして5-4で競り勝っている。
キャプテンでCBの三輪 椋平(青森山田高出身)が[4-4-2]の最終ラインを統率し、左SBでロングスローもある入江 羚介(帝京高出身)と右SB松田 和輝(磐田U-18出身)は攻撃でも存在感を発揮。栗原 諒(前橋育英高出身)が中盤で舵をとり、FWは代表決定戦でロングスローからヘディングで先取点を決めた齊藤 慈斗(帝京高出身)が関東大学リーグ2部でもトップタイの5得点を挙げる活躍を見せており、パワフルな名須川 真光(青森山田高出身)が体を張って起点を作る。切り札として投入される松本 琉雅(帝京高出身)のサイドアタックにも注目だ。
[ 文:赤壁 逸朗 ]