前回対戦では序盤から愛媛がハイプレスをベースに、鳥栖のビルドアップに制限をかけてペースを握る。しかし、試合の流れとは裏腹に鳥栖が2点を先行する展開となったが、後半に入ると愛媛が失点を恐れることなく前への圧力をさらに強めたことで、鳥栖を押し込む展開に。そして途中出場の鶴野 怜樹が72分にゴールを挙げて1点を返すと、終了間際には右サイドからのクロスに走り込んだ森山 公弥が難度の高いボレーシュートを決めて、同点に追いつく。0-2の状況から驚異的な粘りを見せた愛媛にとっては意義深い勝点1となり、鳥栖にとっては痛過ぎる勝点1となってしまった。
愛媛は6月8日、J2第17節・大宮戦に臨んだ。スコアレスで後半を迎えると、大宮に対してやや守勢を強いられたものの、56分に村上 悠緋がFKから強烈なゴラッソを叩き込み、先制に成功する。その後は大宮の猛攻にさらされ、耐える展開が続く。それでも、無失点で試合を進めていたが、勝利が見えてきたアディショナルタイムにクロスから豊川 雄太に得点を許してしまい、同点に追いつかれる。その後は気落ちすることなく、攻めに出てチャンスを作ったものの勝ち越し点を奪うことはできず。鳥栖戦と同様の引き分けに終わったが、鳥栖戦とは逆に追いつかれる形だっただけに悔しさの残る結果となってしまった。
11日ぶりのリマッチとなる中、鳥栖はこの試合を終えると中2日でアウェイでのリーグ次節・水戸戦が控えており、リーグ戦での主力メンバーを投入したとしても時間を限定するなど、水戸戦を見据えたメンバー選考になるだろう。対する愛媛は大宮戦から中2日、この試合を終えると中3日でアウェイでのリーグ次節・磐田戦が控えていることを考慮すれば、大宮戦から少なくないメンバー変更を行って臨むことが考えられる。チームの総合力が問われるこの一戦で新たにチャンスを得る選手たちの奮起は不可欠で、勝利することができればチームの競争レベルを1段階引き上げられるに違いない。
どんな状況であれ、勝利以上にチームに勢いを与えるものはない。リーグ戦も次節で前半戦を終えるだけに、後半戦に向けて両チームともに新たな戦力の台頭が求められる。アピールに成功して勝利に導くニューヒーローが現れるのはどちらのチームか。前回の引き分けから11日、一発勝負のトーナメント戦でハッキリと白黒をつける。
[ 文:杉山 文宣 ]
