クラブ史上二度目となる天皇杯を制した昨年度の神戸。国立競技場を舞台に実施された決勝戦でG大阪に1-0で勝利し、戴冠の栄誉に浴している。ディフェンディングチャンピオンとして迎えた今大会、初戦となった2回戦でJ3高知を4-1で打ち破ったものの、続く3回戦では厳しい戦いを強いられている。
J2甲府の本拠地に乗り込んだ3回戦は、高知戦同様にリーグ戦で主力として戦うメンバーから大幅に変更して臨んだ。今夏の新加入選手である小松 蓮が神戸デビューを飾り、井出 遥也が負傷離脱から復帰。高知戦に続いて山内 翔がアンカーを務め、松田 陸を右ウイングで起用するなど、フレッシュな構成。立ち上がりから集中して試合に入ったものの、相手の堅守をこじ開けられないまま進み、58分に先制を許してしまった。
そのまま試合は後半アディショナルタイムへ突入し、ジャイアントキリングの気配も漂う展開となったものの、90+7分に岩波 拓也が起死回生の同点ゴール。そして、延長戦でエリキが勝ち越しゴールを決めて劇的な形でラウンド16進出を決めている。
神戸とすれば、この甲府戦を大きな教訓として受け止めたいところ。絶えず下克上の機運がつきまとうのが天皇杯という大会の難しさ。アグレッシブさや粘り強さという、リーグ戦で発揮している神戸らしさをどれだけ貫けるかに勝利のカギがあることは論をまたない。明らかに今大会屈指の勢いをつかんでいる東洋大を相手に、試合の入りからフルパワーで挑むことが求められそうだ。
一方、今大会で最も脚光を集めている東洋大。昨年、全日本大学選手権大会を初制覇したチームは、今回が天皇杯初参戦。1回戦で仙台大に4-2で勝利し、2回戦でJ1柏に挑戦。攻め込まれても容易に崩れない守備、着実に好機を作り出す攻撃など、よく鍛えられた組織的なサッカーを展開する。そして、延長後半の107分に山之内 佑成、120+1分に依田 悠希が決めて勝利。見事なジャイアントキリングを遂げている。
その勢いは続く3回戦でも発揮された。柏戦同様に相手の本拠地に乗り込んだ新潟戦では、前半アディショナルタイムに村上 力己が決めて先制。後半開始早々に同点とされるが、その8分後に湯之前 匡央がゴール。これが決勝点となり、J1チームからの連続勝利という偉業を飾っている。U-22日本代表のウズベキスタン遠征メンバーに選出された岡部 タリクカナイ 颯斗ら大学屈指の注目株も多く、臆することなく堂々とノエスタに乗り込むことになるだろう。
神戸が4大会連続のベスト8進出を決めるか、それとも東洋大が3たびのJ1チーム撃破を遂げるのか。8月6日19時、注目のマッチアップの幕は開く。
[ 文:小野 慶太 ]
