昨季のJリーグYBCルヴァンカップの準々決勝で両者は対戦。ホーム&アウェイの戦いは1勝1敗でPK戦によって名古屋が勝ち上がりを決め、その後カップを高らかに掲げるきっかけとなった。
2022年と2023年は、ルヴァンカップのグループステージで同組に。明治安田J1を合わせてこの4年間で14試合を戦い、名古屋が7勝、広島が6勝、引き分けが1つとわずかながら名古屋がリードしている。天皇杯では2018年度の3回戦以来の対戦で、そのときは広島が4-1で勝ち上がりを決めた。
今季のリーグ戦は2試合とも戦い終えており、名古屋がシーズンダブルを達成しているが、奪った4つのゴールのすべてがマテウス カストロによるもの。現在、名古屋の背番号10は右足のケガで戦線離脱しており、この準々決勝は出場できない可能性が極めて高い。名古屋としては彼に代わる“広島キラー”を見つけ出す必要がある。
ただ、その候補の名前が簡単に挙がらないのが現状の名古屋の悩ましさ。今夏に東京Vから獲得した木村 勇大は、23日に行われたリーグ前節・川崎F戦に先発出場し、77分プレーしたばかり。すさまじい暑さの中でポストプレーやヘディングでの競り合いを全力でこなし、スプリント数も12回を数えた。中3日でのゲームとなる中、出場時間を含めてそれほど多くのものを求めるのは酷かもしれない。数少ないチャンスを一撃で決め切る力に期待したい。
次なる候補は、ベテランの永井 謙佑。36歳の快足アタッカーは川崎F戦の77分から出場し、持ち味であるスピードを生かした裏抜けで一時は同点となる和泉 竜司のゴールをアシストした。コンディションも上がってきているように感じるが、今季はまだ公式戦で1得点のみである。この天皇杯でゴールを挙げ、得点数を増やしていくきっかけとしたいところだ。
名古屋はリーグ戦では現在16位と、目標にしていたタイトル獲得は絶望的。唯一タイトル獲得の可能性が残っているこの天皇杯に懸ける思いは強いが、リーグ戦の残留争いも視野に入れないといけないところ。この中3日が続く連戦でどんな戦い方をしてくるのか。勝負師・長谷川 健太監督の采配に大きな注目が集まる。
対する広島は、リーグ戦で首位と勝点差2の6位に位置している。もちろん優勝を狙える位置であり、現在は公式戦7連戦の真っただ中にある。23日に行われたリーグ前節は中2日という厳しい日程だったが、東京Vに3-0の完勝を収めた。先発を5人入れ替えてアウェイで勝利を収めたことで士気も上がっているだろう。
ただ連戦、しかもアウェイ戦が続くこと(※天皇杯は中立地扱い)で疲労がたまっているのは間違いなく、2022年から指揮を執るミヒャエル スキッベ監督が、選手のコンディションをどう捉え、天皇杯への思いをどう表現するのか。まずはそこに注目したい。
そして今季名古屋に負けたままでは選手もサポーターも気持ちよくないはず。勝って3冠獲得の可能性を堅持しつつ、勝負の終盤戦に向けて良い流れを作っておきたい。
[ 文:斎藤 孝一 ]
