広島は13年ぶりにJ1の舞台で戦う横浜FCとニッパツ三ツ沢球技場で対戦。「われわれはやるべきことをやってきた自負がある」と城福 浩監督がプレシーズンの仕上がりに手ごたえをつかんで臨んだ一戦は、前半にサイドを揺さぶった攻撃からドウグラス ヴィエイラが先制点を挙げ、後半には前線から相手に圧力を掛けてボールを奪うとショートカウンターを発動させ、レアンドロ ペレイラが追加点をゲット。守備陣もスキを見せることなく2-0の完勝を収めた。
昨季までの継続性を重視してスタートした城福監督体制3年目。堅守をベースにしながらサイドアタックの迫力を高めることや前線からの圧力を強めることに主眼を置いて進めてきたプレシーズンの成果を横浜FC戦でしっかりと感じることができ、「この勝利によって1週間後のリーグ戦の開幕をポジティブな状況で迎えられる」と指揮官も頷いている。
対する鹿島はパロマ瑞穂スタジアムで名古屋と対戦して0-1で敗戦。前半の終了間際にマテウスの直接FKで失点を喫すると、後半はゴールへ向かっていく姿勢を強めていく中で高卒ルーキーの荒木 遼太郎と松村 優太を送り出し、上田 綺世も投入。若い選手たちが駆け回って攻撃は活性化したが、松村が一発退場するなどうまくかみ合わず、無得点のまま終わった。
ザーゴ監督は試合後、「後半に関しては自分たちが完全にゲームをコントロールしながら、チャンスを多く作りましたが、また再びそれを決め切ることができませんでした。決めることができれば違う展開になったと思います」とコメント。後半の内容には一定の評価を置いているが、AFCチャンピオンズリーグのプレーオフでオーストラリアのメルボルンVを相手にも0-1で敗れる手痛い敗戦を喫してスタートしたザーゴ新体制の鹿島は、まだ準備不足の状況でリーグ開幕を迎えると言っていいだろう。
23日にエディオンスタジアム広島でキックオフする開幕戦。やるべきことをおのおのが理解して自信を持ってピッチに立つ広島の選手たちに対して、鹿島の選手たちは少なからず危機感を持ってキックオフの笛を聞くことになるだろうが、その危機感がチームに一体感を生み出すことは往々にしてあることだ。両チームの選手たちの心情がどのようにピッチ上に反映されていくかは大きな見どころとなる。
そのほかにも見どころは多い。東京五輪が迫る中で大迫 敬介、森島 司、松本 泰志、上田、町田 浩樹らはどんな形でシーズンをスタートしていくのか。今季の両チームの攻撃力を大きく左右するであろうブラジル国籍アタッカーたちの出来はどうか。楽しみは尽きない。試合の主導権を争うキーポイントを挙げるとすれば、広島のストロングポイントである両翼の柏 好文とハイネルに対峙する、鹿島の新戦力の広瀬 陸斗と永戸 勝也のパフォーマンスになるだろう。
[ 文:寺田 弘幸 ]