ホームの浦和は埼玉スタジアム2002に前年王者・横浜FMを迎えての再開初戦。このビッグマッチがリモートマッチとして開催されることは致し方なくも残念と言うほかないが、画面越しでも熱中できる好ゲームになることは必至だろう。
『浦和の責任』、『3つのチームコンセプト』などの方針を掲げて再生を図る浦和は、中断前の公式戦で2戦2勝。今季から採用した[4-4-2]システムとアグレッシブなサッカーでチームを立て直し、未完成ながらも攻撃的で積極的な姿勢を披露した。ただやはり、中断期間の影響は大きく、興梠 慎三は「(自粛明けの)練習試合3試合で、チームとしても個人としても結果が出なかった」と語る。
それでもチームの雰囲気は明るく、「良い部分を見れば、これまで継続してきたものが積み上がっている」(大槻 毅監督)、「まずは横浜FM戦に向けてチームも調整してやっているので、そこで100%が出せればいい」(興梠)と前向きだ。久しぶりに取材が解禁された6月30日の練習では本番さながらの激しい紅白戦が披露され、選手層の厚みをあらためて見せつけた。スタメンから漏れた選手だけでも強力なチームが作れる陣容のため、今後どうターンオーバーを組み込んでくるかにも注目だ。
一方、アウェイに乗り込む前年王者・横浜FMだが、AFCチャンピオンズリーグでは好発進を切るも、FUJI XEROX SUPER CUPに続きJ1開幕戦にも敗北。国内の舞台では未勝利状態が続いており、再開初戦に勝利して是が非でも仕切り直したいところだ。
こちらも戦力は豊富で、ただでさえ充実したスカッドは中断中に實藤 友紀(福岡)、天野 純と小池 龍太(ともにスポルティング・ロケレン)を加えて一層厚みを増した。ただ、絶対的主力であるチアゴ マルチンスが負傷明けからチームに合流したばかりで、万全とは言い難いのはやや不安点か。
それでもチームとしての練度や継続性は横浜FMに一日の長があり、基本的にはボールを保持する横浜FM、逆襲を狙う浦和という図式で試合は進むのではないか。しかし「引いて守るよりは前からハイプレスを掛けたい」(興梠)とコメントがあったように、浦和も自陣に引きこもるつもりはなく、激しい戦いとなることが予想される。ベンチメンバーにも豪華な選手が並ぶ両チームだけに、5人の交代枠をどう使ってくるかも見どころになるだろう。
記録面では、興梠がJ1通算150得点まであと『2』、浦和での通算100得点まで『1』に迫っている。この試合で両記録が達成されるようなら、勝利の天秤は浦和にグッと傾くが……。いずれにせよ、無観客であることを忘れるような熱い試合を期待したい。
[ 文:沖永 雄一郎 ]
