12位タイの横浜FMは前節、浦和とアウェイで対戦。互いにシュートを10本以上放ち、攻め合う姿勢は見せたものの、スコアレスに終わった。アンジェ ポステコグルー監督が「練習や練習試合と比べてテンポが違う」と振り返ったように、観客が誰一人いない異質とも言える空間の下、パスが微妙にズレるなど試合勘が戻っていない場面が散見された。開幕戦に続いて不発に終わった昨季のMVPであり、得点王でもある仲川 輝人は「ペナルティーエリア内での判断の質を高める必要がある」。得点機を確実に仕留めることに課題を残したゲームでもあった。
選手起用に目を移せば、浦和戦では中断期間中に加入した實藤 友紀、天野 純、小池 龍太が先発に並んだのは、サプライズだったと言えよう。CBの實藤は残念ながら前半終了間際にハムストリングスを痛めて負傷退場したものの、トップ下に入った天野、右SBの小池は今季の公式戦4試合連続で先発したマルコス ジュニオール、松原 健と遜色ないプレーを見せ、ここ1カ月の準備期間中の成果が表れた。
中3日で迎える湘南戦は實藤のほか、浦和戦前日に負傷した松原が欠場する可能性が高い。一方、豊富なタレントを擁する攻撃陣にケガ人はおらず、先発を予想するのは難しい。過密日程が続いていくだけに、「いつも同じ11人が出ることが約束されているわけではない」と語るアンジェ ポステコグルー監督が今後ターンオーバー制を敷くかどうか、試金石となるゲームと言える。ただ1つ言えるのは、もしも3戦未勝利になれば、昨季王者といえどもイヤなムードが漂いかねない。誰がピッチに立っても、昨季後半のように選手一人ひとりが勝利のために、チームプレーに徹する姿勢を見せることが重要なポイントとなる。
対する16位の湘南は浦和に逆転負けした開幕戦に続き、前節は仙台に0-1で敗れ、開幕2連敗。強風に悩まされた仙台戦では立ち上がりに許したアンラッキーな失点が最後まで重くのしかかった。ただ、その後は得点を許さず、中断期間中に取り組んできた守備構築で一定の成果は出た。「あの1点が悔やまれるが、サッカーとはそういうもの。連戦なのですぐに切り替えてやるしかない」とは今季、鳥栖から加入した福田 晃斗の言葉。今節、対峙するのはリーグ屈指の攻撃力を誇る横浜FMだけに、高めてきた守備力の現在地を知る上でも格好の相手である。相手にボールを握られることは予想できるだけに、まずは粘り強くゴールにフタをしつつ、素早くオープンスペースにボールを運ぶことで勝機を探りたい。
[ 文:大林 洋平 ]
