ホームチームは苦しい状況にある。リーグ戦再開後、大分、神戸と対戦し、いずれも得点が奪えずに零封での連敗中。前節の神戸戦はボールを奪ったあとのファーストパスでのミスやチャンス時のシュート意識の乏しさが目立つなど、今季の鳥栖が目指すアグレッシブな守備と敵陣でのプレー時間を長くするというスタイルを表現できなかった。深刻なのは得点力不足だ。今季は公式戦4試合を終えていまだ得点がない。さらにさかのぼると昨季のラスト3試合も無得点に終わっており、現在、シーズンをまたいで7試合無得点が続いている。決してチャンスが作れていないわけではないだけに、ゴール前でのシュートに対する積極的なチャレンジが求められる。また、よりチャンスを作り出すためにも守備からアグレッシブな姿勢を表現することは不可欠だろう。
一方の広島は前節、ホームで大分と対戦。立ち上がりにショートカウンターからレアンドロ ペレイラの得点で先行。その後も優位に試合を進めていたが、終盤に落とし穴が待っていた。GKと最終ラインの連係ミスから85分に失点を喫すると、終了直前にもカウンターに出ようとしたパスを大分に奪われ、クロスから決勝点を献上。堅守・広島らしからぬミスからの2失点で、まさかの逆転負けを喫した。開幕から2試合連続3得点と完封での連勝スタートを切っていただけにまさかの敗戦となったが、城福 浩監督が就任して3年目のチームは成熟度の高さが持ち味。簡単には崩れないということをこの一戦で証明しにかかる。敗れはしたが、レアンドロ ペレイラは開幕から3試合連続ゴール中と好調をキープ。今節も頼れる存在としてチームをけん引してくれるだろう。
2017年、18年とホームでは広島に連勝していた鳥栖だが、昨季の同対戦では荒木 隼人、ハイネルに得点を許し、敗戦を喫している。得点がない鳥栖にとって、強固な守備と高い組織力を誇る広島のゴールをこじ開けるのは容易ではないが、17年、18年と勝利したときはいずれもセットプレーから得点を奪っている。オープンプレーからの得点ももちろん欲しいところだが、セットプレーからも活路を見いだしたいところ。鳥栖としては得点を奪うことで一気にチームの流れを変えたい。
また、7月4日のリーグ戦再開から2試合はリモートマッチが続いていたが、今節からは制限付きではあるがサポーターの入場が認められている。声出しの応援や手拍子など観戦時の制限も多く、かつての光景が戻るわけではないが、スタジアムでの感動の共有という点では大きな前進だ。また、選手たちにとってもサポーターからの生の視線というのはモチベーションにつながるだろう。サポーターの前で初得点、初勝利を奪いたい鳥栖と、連敗阻止へ闘志を燃やす広島。激しいぶつかり合いになることは必至だ。
[ 文:杉山 文宣 ]
