10位タイの横浜FMは前節、湘南との“神奈川ダービー”を制し、リーグ戦3戦目にして初勝利を飾った。前半はコンパクトに5バックを敷き、ゴールにカギをかけた相手の前にシュート1本に終わったが、先制を許したあとの63分、アンジェ ポステコグルー監督が下した大胆な采配が見事にハマる。攻撃陣の3枚代えとシステム変更によって一気に迫力が増し、そこから3ゴール。破壊力のある横浜FM本来の姿を取り戻し、粘る湘南を振り切った。
特筆すべきは、全得点に絡んだのが3枚代え時に途中出場した新戦力組だったことである。5月末に復帰した天野 純が2得点、オナイウ 阿道が決勝点をマークし、その殊勲のゴールをアシストしたのが水沼 宏太だった。「5人の交代枠の中で、サブも含めて全員で試合を決めるということを示せた良いゲームだった」と圧巻のプレーを見せた天野が振り返るように、昨季にも増して王者の選手層の厚さを印象づけるゲームとなった。
中3日で迎える今節のメンバーは、再開初戦となった前々節・浦和戦から5人を変更した湘南戦の起用法を踏まえれば、少なからず入れ替えはありそうだ。まずは湘南戦後、指揮官が「再開して2試合、彼はフル出場しており、日程を考えると、毎試合、彼を起用するのは難しい」と語ったボランチの主将・喜田 拓也に注目したい。もし、喜田が先発を外れれば、有力候補は天野となるが、同じレフティーの扇原 貴宏との兼ね合いを踏まえれば、昨季最終節で好パフォーマンスを見せた和田 拓也というチョイスもある。
より層の厚い攻撃陣も予想が難しいが、センターFWにはオナイウを推す。リーグ中断までの公式戦4試合すべてに先発し、AFCチャンピオンズリーググループH第2節・シドニーFC戦では2得点を挙げた若武者である。湘南戦では2戦連続ベンチスタートに甘んじていた悔しさをうまくパワーに昇華させ、値千金の決勝弾を挙げた。一方で、「ここで満足しては先発で出続けられない」とまだまだハングリー精神旺盛なところに大いに期待が持てる。
対する7位・FC東京は前節、川崎Fとの“多摩川クラシコ”で0-4と完敗。開幕2連勝と期待感が高かっただけにショッキングな敗戦となった。「長いシーズンではこういう試合もあるので切り替えたい」(東 慶悟)。「次の試合で鬱憤を晴らしたい」(森重 真人)というように、今節は立て直しを図る意味合いも持つ。次節・浦和戦を最後に日本代表・橋本 拳人がロシア1部・ロストフに移籍するため、戦力ダウンは避けられない状況の中、今季から挑んでいる[4-3-3]のアンカーを前節、復帰した橋本が担うのかが注目される。
[ 文:大林 洋平 ]

