ポジティブな結果をつかんだのは鹿島だ。開幕4連敗とクラブワーストのスタートとなった中で、前節は王者・横浜FMと対戦。エヴェラウドを左サイド、上田 綺世を最前線に置くなど、ザーゴ監督が変化を加えたチームは見事に“蘇生”を果たす。開始早々にエヴェラウドのクロスを上田が叩き込み、今季初めて先制に成功すると、タイスコアで折り返した後半も横浜FM対策がハマり3得点。「選手たちがやってきたことに対して結果を得られたことは、彼らにとって自信になる」とザーゴ監督が振り返ったように、チャンピオンチーム相手に挙げた今季初勝利は、鹿島にとって特大の価値を持つ1勝となったはずだ。
一方、湘南は依然として苦しい状況が続く。前々節・札幌戦(0△0)で初の勝点を獲得し、初勝利を期して臨んだ前節・柏戦。前半からセカンドボールの争いで後手に回ると、警戒していたオルンガに2得点を奪われてしまう。前に行くしかなくなった後半は攻勢に転じたものの、ファイナルスコアは2-3。開幕5試合は1分4敗という厳しいスタートとなってしまった。
湘南としては、決して下を向くばかりの内容ではない。ただ、4つの敗戦はいずれも1点差ゲーム。特に開幕戦・浦和戦、明治安田J1第3節・横浜FM戦、前節・柏戦の3試合は2-3のスコアで敗れており、攻守がいまひとつかみ合わない。「僕たちのサッカーではコンパクトにするということがすごく大事」と鈴木 冬一は話すが、全体の連動性を失った時間帯で、相手の個の力に屈してしまうという展開が目立っている。「常にハイラインを保って、なおかつ前から(プレスを)掛けるというところは、もっと突き詰めていかないといけないし、それができれば良い結果にもつながる」(鈴木)。前節から中3日という連戦となるが、もう一度チームとしての土台を再確認して臨まなければならない。
ただ、湘南にとって近年のホーム・鹿島戦は好相性を誇る。2018年は2-1、昨季は3-2といずれも1点差の接戦をモノにしているが、決勝点が生まれたのはいずれも90分を経過したほぼラストプレーと言える時間帯だった。ドラマチックなゲームが続いているこのカードで、湘南としては今季初勝利を挙げたいところだ。
鹿島にとっても、前節の初勝利から流れに乗る上で、この試合は重要な意味を持つ。特に気になるのはメンバー構成だ。ここまで同じ先発でスタートした試合はないが、横浜FM戦の内容を持続させるためには同様の11人を送り出す可能性もあるだろう。ただ、前節は「どんな相手にも弱点がある」とザーゴ監督が落とし込んだ横浜FM対策が機能したという側面も強かっただけに、湘南戦は今後を占う一戦となるはず。新たな時代を迎える“常勝軍団”は、イヤな記憶が残るこのShonan BMW スタジアム平塚で、あらためて強さを示すことができるだろうか。
[ 文:林口 翼 ]
