横浜FCにとってここ2試合はJ1のトップレベルを知る貴重な場となっている。前々節・川崎F戦ではJリーグ屈指の技巧派集団に対してパス数や支配率などで上回る数字を記録し、内容面では互角以上の戦いを見せたが、結果は1-5の大敗。先制を許しながらも一度は追いついたが、ラスト15分で4失点を喫した。そこから中3日で行われた前節・横浜FM戦も開始20分ほどまではハイラインを敷いてくる相手の背後を突き、チャンスを作り出していたが、そこで決め切れずにいると展開が逆転。前半に先制を許してからは押し返すことができず、終わってみれば0-4という結果であった。
「2試合とも同じような感覚」と振り返る下平 隆宏監督は、2試合で9失点してしまっている守備に関しては「まだ守備の部分にフォーカスがいっていないところはある。そこに手をつければきっちり守れるようになると思うけど、そうすると逆に前に行きづらくなるという、なんとも言えないジレンマが出てくる。そこのせめぎ合い。前からも行くし、ブロックも作れるというふうになっていかないといけない」と心の内を明かす。ただ、内容を見れば悪いところばかりではなく、良い部分も多く出せているだけに、「良くなる兆しは見えていて、改善すべきところも見えている。そこさえクリアしていければと思う」と前を向いた。
連敗をストップし、ホーム初勝利を挙げるためには、ここまでやってきたことをブレずにやり続けることが一番の近道となりそうだ。
その浦和戦で注目を集める1人が左ウイングバックを務める松尾 佑介。浦和アカデミー育ちの彼にとっては初の“古巣戦”であり、大槻 毅監督はユース時代の恩師にあたる。
「大槻さんにはユースのときにはボロボロに言われていたけど、それがいまのきっかけになっている部分もあると思う」と笑うドリブラーは、「『これだけ自分はできるんだ』と、しっかり自分の力を出して、チームとして勝てるようにしたい」と恩返しを誓い、23日に23歳の誕生日を迎えたことで「毎試合決めたいと思っているけど、まだJ1初ゴールを決めていない。応援してくれる人たちのためにも、自分のためにも、バースデーゴールで祝えたら」とホームのサポーターと恩師の前でのゴールを約束した。
対して、敵地に乗り込んでくる浦和も、開幕から4戦負けなしが一転、現在は2連敗中と苦しい状態。それも2試合で6失点と守備の部分が気がかりである。
その2試合ともに、リーグ戦再開後に良い動きを見せていたトーマス デンを欠き、岩波 拓也とマウリシオの2人がCBのコンビを組んでいたが、流れを変えるためにも経験豊富な槙野 智章や鈴木 大輔の起用があるかもしれない。また、興梠 慎三、レオナルド、杉本 健勇ら強力FW陣を擁しているものの、ここ2試合は無得点。3試合ぶりの勝利をつかむために攻守できっかけが欲しいところだ。
[ 文:須賀 大輔 ]
