橋本 拳人が明治安田J1第5節・浦和戦を最後にロストフ(ロシア)に移籍したFC東京は、前々節・札幌戦では主将の東 慶悟が負傷し離脱。診断の結果、右第5中足骨骨折で全治最長4カ月の大ケガとなってしまった。これまでダブルボランチの一角とアンカーの位置に入り攻守でチームの軸となってきた日本代表MFの橋本、さらにサイドハーフにインサイドハーフ、トップ下にボランチとマルチタスクがこなせる替えの利かない存在だった東を同時に欠いた中、前節はアウェイでの鹿島戦に臨んだ。
システムを昨季までのベース布陣である[4-4-2]に戻し、ディエゴ オリヴェイラと永井 謙佑の強力2トップを攻守で前に押し出す戦い方で、前半は主導権を奪った。鹿島にワンチャンスを生かされて先制を許すも、その後CKから立て続けに渡辺 剛と森重 真人のCBコンビがそろってヘディングでゴールネットを揺らし、逆転に成功した。
しかし後半、2トップの前線からの守備でリズムをつかんでいたFC東京は、徐々に動きが鈍くなり、鹿島に押し込まれる展開に。そして同点弾を喫し、結局引き分けに終わってしまった。
今節・鳥栖戦に向けては、まずは鹿島戦でうまくいかなかったペース配分が課題として持ち越された。湿度と気温も上昇する現在の気候を鑑みても、90分間フルスロットルでプレーすることは厳しい。もちろん前線からアグレッシブに強度高く相手にぶつかっていくのが長谷川 健太監督率いるFC東京の最大の特徴だが、積極性を保ちながらもうまく手元で調節レバーを駆使しながらペース配分ができるかは焦点となる。
そして、冒頭でも触れた橋本、東と中盤のキーマンを失ったことの影響も気になるところだ。ベテラン・髙萩 洋次郎の統制力は不可欠だが、さらに今季プロ1年目ながらすでに主力になっている安部 柊斗や、前節は契約上の関係で不出場だったテクニシャンのレアンドロらの個の特徴をうまく組み合わせながら中盤の構成力を上げたいところだ。
一方、アウェイの鳥栖は前節、C大阪に対して手堅い守備ブロックを形成し、そこから仕掛ける攻撃でチャンスを多く作り出した。育成組織出身・石井 快征のリーグ戦初ゴールで先制するなど良い流れを生み出すも、その後追いつかれて勝点1を獲得するにとどまった。今季いまだ勝利がない状況で、いち早く白星を挙げたいところだが、今節は上位のFC東京にどこまで立ち向かえるか。仮に前節同様に堅い守備陣形をベースにした戦いとなると、FC東京の得意とする鋭いカウンターを封じながら相手にボールを回させる展開にすることが理想になる。鳥栖はホームチームに苦手なシチュエーションを強いることができれば、勝機は出てくるだろう。
[ 文:西川 結城 ]
