浦和に今季ワーストとなる3失点を喫し、仕切り直しで挑んだ前節の鹿島戦は、後半アディショナルタイムに痛恨の同点ゴールを許して、勝点3を逃したG大阪。チームには、8月をめぐるイヤなジンクスがある。
宮本 恒靖監督が就任した2018シーズン以降、8月は“鬼門”となっているのだ。2018シーズンは1勝2分3敗、2019シーズンにいたっては4分1敗。そして今季も1勝1分2敗と黒星が先行中だ。
逃げ切り寸前でゲームプランが崩れ去った鹿島戦後、「もう少し、自分たちでボールを動かす時間を増やして相手ゴールを攻めるようなシーンを作りたかったですけど、それは少しできなかった」と宮本監督は悔やんだ。苦しい戦いが続く最大の要因は、攻撃陣の低空飛行にある。
8月の4試合で奪った4得点のうち、FW陣が挙げたのは横浜FC戦におけるアデミウソンとパトリックの得点のみ。試合のたびに宇佐美 貴史のパートナーが変わり、頼みのエース宇佐美も本来のキレを欠いている。
鹿島戦では先手をとりながらも、その後はパトリックに対する単調なロングボールに終始。昌子 源も「本来やりたいサッカーではなかった」と振り返ったが、パトリックの起用はあくまでも対鹿島を見据えたオプション的な戦い方のはずである。
3バックをベースにしながらも、対戦相手に応じて4バックも併用してきた宮本監督だけに、今節で送り出すフォーメーションと顔ぶれにも注目だ。
ただ、いかなる最終ラインの並びになろうとも、G大阪の守備陣に課せられるのは“ディエゴ オリヴェイラ封じ”というミッションだ。
柏時代を含めるとG大阪とのリーグ戦では7戦中4試合でゴールを許してきたディエゴ オリヴェイラを封じることなく、3試合ぶりの勝利はおぼつかない。
一方、川崎Fとの勝点差が『10』に広がったFC東京にとっても正念場のアウェイ戦である。26日に行われた鹿島戦は先行しながらも痛恨の逆転負け。中5日のG大阪に対して、FC東京は中2日と日程的な不利は否めないが、長谷川 健太監督が鹿島戦でディエゴ オリヴェイラと永井 謙佑をベンチスタートとしたのは、G大阪戦を見据えたマネジメントのはずである。
契約の問題で鹿島戦のピッチに立てなかったレアンドロを含めて、Jリーグ屈指の個の力を持つ攻撃で押し切りたい一戦だ。
長谷川監督にとってはかつてのホームでもあるパナソニック スタジアム 吹田だが、敵将として乗り込んだ過去2試合のリーグ戦は1分1敗。両指揮官の駆け引きも見どころの1つだが、日韓の代表クラスがそろうG大阪の守備陣と、FC東京の強力アタッカー陣の激突は必見となる。
宮本監督が“8月のジンクス”を払しょくするのか、FC東京の長谷川監督がかつてのホームで初勝利を手にするのか――。間違いなく言えるのは、両チームが勝利だけを目指すということだ。
[ 文:下薗 昌記 ]
