ここまで12試合を消化し、1勝1分10敗。浮嶋 敏監督体制2年目の今季は、厳しい戦いを強いられている。10敗のうち7試合は1点差というゲームだが、「内容的にはそれ以上の差をつけられてもおかしくない試合も正直あった」とディフェンスリーダーの坂 圭祐。明治安田J1第5節以降、シュート数で相手を上回った試合はなく、攻撃面の迫力を欠いた試合が続くなど、暗いトンネルの出口をいまだ見つけることができていない。
ただ、今節に向けて、湘南は“恵みの2週間”を得た。先週末8月29日に予定されていた第13節・鳥栖戦が延期となり、それまで連戦が続いていたチームは一息つく時間を確保することができたのである。前節・FC東京戦翌日から3日間のオフを設け、選手はリフレッシュを行えただけでなく、「振り返る良い時間にできる」と浮嶋監督が語っていたとおり、このタイミングで再度、チームビルディングに時間を費やすことができたのは大きな出来事だったはずだ。
「3分の2のところまでは良くても、最後の3分の1、いわゆるフィニッシュのところが課題。そこの質や数を増やしていかないといけない」(浮嶋監督) この2週間のトレーニングでは、ゲーム形式のメニューを行いつつ、指揮官は背後への意識を強調。「前を見よう!」「足元よりも背後!」といった言葉が飛び交う中で、攻守両面の課題にいま一度向き合ってきた。開始20分で4失点を喫した第10節・横浜FC戦後、「原点に返ろう」という浮嶋監督の号令のもと、チームは守備の積極性を取り戻しつつあっただけに、そうした本来の良さを土台に、この2週間で取り組んだ攻撃面の成果を発揮したいところだ。
対する神戸は、第11節・柏戦でアンドレス イニエスタ、トーマス フェルマーレンがそろって負傷交代。8月26日の第24節・川崎F戦ではドウグラスにもアクシデントが発生するなど、台所事情は苦しい。ただ、リーグ戦はここ3試合負けがなく、ユース出身の若手選手たちが継続的に出番を得るなど、チームには好循環が生まれている。当然、中12日の湘南に対し、水曜日のJリーグYBCルヴァンカップ準々決勝・川崎F戦から中2日という準備期間の差は大きいが、このハンデをチームとしての層の厚さを見せつける格好の機会としたいところ。そして、同じく鳥栖戦延期の影響で試合間隔が空いた仙台やG大阪、札幌はいずれもその日程的な優位を生かせず、直後のリーグ戦で敗戦を喫しているという事実もここに記しておきたい。
もちろん、湘南もそのアドバンテージにあぐらをかくことは決してない。齊藤 未月は言う。
「まだ1試合しか勝てていない。試合を観にきてくれたり、DAZNで応援してくれるファン・サポーターの方々のためにも責任を持って試合に臨んで、勝たないといけない。それがプロフェッショナルだし、いまの現状にはチーム全員がもっとやらないといけないという気持ちになっている」 クラブの意地と誇りを懸けて。湘南は一丸で、連敗ストップを目指す。
[ 文:林口 翼 ]
