アンジェ ポステコグルー監督の横浜FMと、昨季まで横浜FMでヘッドコーチを務めたピーター クラモフスキー監督の清水が再び相まみえる。8月19日の明治安田J1第11節では、攻撃を志向する両者の戦いにふさわしい壮絶な打ち合いを4-3で“師”が制した。今節も“矛vs矛”の様相の中、横浜FMがシーズンダブルを達成するのか、清水がリベンジを果たすのか、熱戦が期待される。
横浜FMは3連勝のあとに1つの引き分けを挟んで3連敗中。真夏に調子を上げ、一時は波に乗ったかと思われたが、川崎F、名古屋、C大阪の上位陣にいずれも逆転負けを喫した。前々節・名古屋戦からは3バックに挑んでおり、前節・C大阪戦では[3-4-2-1]が機能。特に前半はC大阪を自陣に押し込み、後半で先制に成功した。ただ良かったのはここまで。リードすると受け身となり、同点を許すと、直後に相手のカウンターに対してつたない守備で退場者を出して数的不利となり、終盤に逆転されるという自滅的な敗戦となった。
一方、3連敗の中でポジティブ要素を挙げれば、C大阪戦前半の内容だろう。横浜FMの代名詞と言える大胆なポジショナルプレーを封印。ウイングバックは内に絞らず、プレーエリアをサイドに限定しつつ、ダブルボランチと2シャドーが流動性を担保しながら、「ここ数試合に比べると見違えるようなサッカーをした」(アンジェ ポステコグルー監督)。
ただ、3試合続けて逆転で敗れているように、90分間通してのゲームコントロールの改善は喫緊の課題である。中2日で迎える今節は、名古屋戦で負傷した實藤 友紀とC大阪戦でレッドカードを受けて出場停止の伊藤 槙人を欠くことから3バックの継続は不透明だが、攻め続けるスタイルを変えない以上、3バックであろうが、4バックであろうが、強度の高いパフォーマンスを90分間維持できるかがテーマとなる。
対する清水も横浜FMとの前回対戦から6連敗と苦しい状況が続いている。今季から取り組む攻撃スタイルの構築を図りながらも、得点と失点のバランスの折り合いをどうつけるかが課題だろう。幸い、今節の相手は真っ向勝負を挑んでくる横浜FMなだけに、余計なことを考えずに自分たちにフォーカスできるのはメリットだ。前回は立ち上がりにジュニオール サントスにスーパーなゴールを決められて、終始後手に回っただけに、理想をいえば6連敗中一度もない先制点を奪い、優位に進めたい。ただ、もし先制点を許したとしても、横浜FM は3試合連続逆転負けとゲームコントロールに難がある相手だけに、慌てることなく必ずくる決定機を仕留め切れれば勝機があるはずだ。
互いに苦境で迎える“師弟対決”には、何か因縁めいたものを感じるが、両者ともに上昇のきっかけをつかみたい一戦である。
[ 文:大林 洋平 ]

