神戸は12日開催の第16節で、3位・FC東京と劇的なゲームを戦った。育成組織出身の安井 拓也がリーグ戦初得点となるゴールで先制したが、後半に2発を浴びて逆転を許す。それでも、復帰戦のピッチに立ったアンドレス イニエスタを中心に反撃を続けた末、後半アディショナルタイムにそのアンドレス イニエスタのFKをダンクレーが頭で決めて追いつき、土壇場で連敗を回避している。
ただ、FC東京戦を終えたばかりのトルステン フィンク監督は開口一番、チームとして向き合うべき課題に言及。「ここ最近の試合で言うと、ボール支配率、シュート数で相手を上回っている試合がたくさんある。パフォーマンスに満足はしているが、後半のような個人のミスが失点につながるようなケースも多々あるので、そういうミスを本当になくさないと、こういう状況は変わらない」。相手のプレスを回避するためのバックパスを奪われて失点に直結するなど、ポゼッションにおけるつなぎのズレを狙われるケースが続発。ここ5戦4分1敗と結果が出ない一因になっている。
トルステン フィンク監督が「最終的にはチームが良い精神力、メンタリティーを見せて勝点1を奪うところまでいけた。選手たちのためにもうれしく思っている」と述べているように、最後まで戦い抜く姿勢は表現できている。過酷な連戦の最中とはいえ、90分にわたり絶えず攻守にサポートを繰り返すことは、C大阪撃破のために不可欠なテーマともなるだろう。
一方、C大阪は破竹の快進撃の真っただ中にある。およそ1カ月前、8月19日の第11節で川崎Fに2-5で敗れたあと、続く仙台、横浜FC、浦和、札幌を次々に撃破。前節はアウェイで昨季リーグ王者の横浜FMも打ち破り、連勝を『5』に伸ばした。圧倒的強さで首位に立つ川崎Fに勝点8差で食らいつき、攻守にかみ合ったサッカーを展開。C大阪は今節が折り返しとなる17試合目、難敵・神戸を退けることは、良い流れを後半戦につなげるための良薬になることは間違いない。
神戸とC大阪は7月22日の第6節で対戦しスコアレスドロー。ただ、互いにゴールに肉薄し、必死の守りで切り抜ける、持ち味を発揮し合う実力伯仲の好ゲームだった。あれからおよそ2カ月を経て、両者が積み上げた勝点はくっきりと明暗分かれる結果にはなっているが、その数字が勝敗を決める材料になることはないだろう。
神戸のトルステン フィンク監督とC大阪のロティーナ監督。2人の戦術家が操るピッチで、居並ぶ両雄のタレントが魅惑のパフォーマンスを披露する――。極上の真っ向勝負が、多くのサッカーファンを惹きつけることになりそうだ。
[ 文:小野 慶太 ]
