札幌は前節、敵地で名古屋に0-3で完敗。序盤からピンチを作りながらも、GK中野 小次郎を中心になんとか防いでいたが、10分に先制点を奪われると、前半終了間際に直接FKからさらに失点。79分にもキレイなミドルシュートを蹴り込まれてしまい、ここでほぼ勝負は決まってしまった。点差ほど主導権を握られていたわけではないものの、守備網を崩す場面はあまりなく、ゆったりと網を張って守る名古屋に効率よく得点を奪われ、地力の差を見せつけられた印象だ。
前々節に湘南に2-1で勝利し、5戦ぶりの白星を挙げたばかりだった。「連勝して波に乗りたい」と田中 駿汰は話していたが、それはかなわず。ここからまた未勝利試合を続けないためにも、鹿島戦から新たな流れを作り出したい。
一方の鹿島は前節、敵地で鳥栖に2-0で快勝。序盤に白崎 凌兵が幸先よく決めて先行すると、その後は積極的に攻め込んでくる相手の攻撃をうまく受け止めながら時計の針を進めていった。そして86分に左サイドからのクロスに対してうまくポジションを取った犬飼 智也が頭で合わせて勝負あり。その後も相手の猛攻を受けるも、冷静な対応でシャットアウトしてみせた。
この勝利によって鹿島は2連勝。7連勝をしたあとに第19節、第20節と連敗を喫していただけに、なんとか再び良い流れを引き寄せたかったはず。7連勝中も決して失点が少なかったわけではないため、無失点で終えた鳥栖戦を契機に守備も強固なものにしていきたい。
さて、そんなチーム同士の対戦だが、上位の鹿島に対して札幌がどのように挑んでいくのか。鹿島は得点が『36』で失点は『31』。どちらかが特別な強みになっているわけではない。それなりに得点をしながら、それなりに失点もある。全体像としては、ボクシングでいうジャブの打ち合いをしぶとくモノにすることで順位を上げてきたチームだと評せるだろう。
それに対して札幌が勝点3奪取をもくろむのならば、相応のタフさが必要だ。前節の鹿島は序盤に先制し、相手のパンチをうまく受け流しながら時間を使い、終盤に加点という典型的な強者のしたたかな勝ち方を見せた。それを上回るには、90分間通しての高い集中力と粘り強さが不可欠。ここから再び未勝利試合を続けないためにも勝利が必要な札幌は、チーム全体としての勝利に向けた強い意欲が求められるだろうし、そしてそれに対して鹿島がどのようなファイティングポーズを見せるのかも注目だ。
[ 文:斉藤 宏則 ]

