両者の前回対戦は前半の20分間で決着がついた。17位の横浜FC、18位の湘南という当時の“裏天王山”となった試合は、ホームの横浜FCが松浦 拓弥のゴールを皮切りに、20分までに4得点を集める衝撃的な展開。「監督経験でもほとんどない」(下平 隆宏監督)というゴールショーで、横浜FCが湘南を圧倒してみせた。湘南も後半に2点を返し、意地を見せたものの、「前半の20分間がすべて」と振り返ったのは主将の岡本 拓也。開始から全体のプレッシングが機能せず、最終ラインの裏を突かれ放題となってしまった前半の内容を悔いていた。
湘南としてはあの8月の屈辱的な敗戦を受けてリベンジを誓う今節。ただ、最下位に沈んでいた当時とは一転、現在は3試合負けなしで最下位を脱出するなど、復調傾向の中で横浜FCを迎え撃つ形となる。
3試合前の第23節・柏戦で連敗を『6』でストップさせると、続く鳥栖との2連戦はいずれも引き分けに終わったものの、鳥栖の強みであるビルドアップを封じ、積極的な守備で主導権を握った。前節は二度のリードを追いつかれ、「勝点2を落としてしまった」と茨田 陽生は振り返ったが、「攻撃的にプレーして2点を取れたのは大きな前進」と前向きな言葉も口にした。チーム得点王の石原 直樹や守備の要・坂 圭祐らを負傷で欠く苦しい状況だが、2種登録の田中 聡や高卒ルーキー・畑 大雅など、楽しみな若手が続々と現れていることもポジティブな材料だ。
この試合も鳥栖と同様、ポゼッションスタイルの横浜FCが相手となれば、ここ数試合で表現できているアグレッシブな姿勢を変える必要はないだろう。「立ち上がりから相手に圧力を掛けてパワーを持って入ろうと話している」とは19試合連続フル出場中の金子 大毅。前回対戦のお返しとばかりに、序盤から自分たちのスタイルで横浜FCを圧倒したいところだ。
一方の横浜FCは、「内容、結果ともに厳しいものになった」(下平監督)前節の札幌戦を経て、どんな姿を見せるか。前回対戦で2ゴールと躍動した松尾 佑介は現在離脱中で、湘南と同じくチームトップスコアラーをケガで欠く苦しい状況。前々節・FC東京戦で決勝点を挙げた草野 侑己、札幌戦で約3カ月ぶりの出場を果たした中山 克広など、前回対戦では出番のなかった選手たちの活躍も不可欠となりそうだ。
両者の勝点差は10とやや離れているものの、「最下位脱出というのはまずは第1段階」と浮嶋 敏監督が語るとおり、湘南としては順位を上げていくためには落とせない一戦となるが、それ以上に、同じ相手に二度負けることは許されない。選手たちは高いモチベーションを持ってこのホームゲームに臨むだろう。湘南がやり返すか、横浜FCがダブルを食らわせるか。白熱必至の“神奈川ダービー”は、Shonan BMW スタジアム平塚で31日15時にキックオフを迎える。
[ 文:林口 翼 ]
