湘南はここに来て状態を上げている。「柏戦で1つ勝てたことが自信につながった」と石原 広教が語るように、明治安田J1第23節・柏戦で連敗を『6』でストップさせると、苦境を乗り越えたチームはまさに様変わり。10月31日に行われた前節・横浜FC戦はきっ抗した展開の中で、指宿 洋史が決勝点を決めて1-0で勝ち切るなど、連敗中に欠けていた接戦での勝負強さも披露した。
チームは現在、大岩 一貴や大野 和成、坂 圭祐と3バックの主軸を担う面々が相次いで離脱中。その苦しい台所事情の中でも、チームの基盤はむしろ固まってきている。ここ最近は3バックの中央で奮闘している石原 広教は、好調の理由をこのように説明する。
「チーム全体が同じ方向に向かって、一体感を持ってやれていると思います。僕は守備のときに(プレスに)行く・行かないがハッキリしたことと、距離感も近過ぎず、遠過ぎずという良い距離感を保てていると感じています」 3バックはハイラインを保ちつつ、全体でコンパクトな守備ブロックを形成。チームの代名詞でもあるプレッシングに関してもメリハリをつけつつ、狩り場と定めたミドルゾーンでは激しく圧力を掛けて相手の自由を奪う。「やってきたことがようやく結果として表れ始めた」と指宿は語るが、「一体感を持ってやれている」という石原 広教の言葉はピッチ上でもよく体現されている。
その中で迎える昨季王者との一戦は、湘南にとっては1つの試金石となり得るだろう。7月の前回対戦でも湘南は一歩も引かない姿勢を見せ、互角以上に渡り合う好ゲームを展開した。最後は交代選手が機能した横浜FMに軍配が上がったものの、あの日と同様に勇敢な戦いを披露し、リベンジを果たしたいところだ。
対する横浜FMも、その当時からはかなりの変化が加わっている。前回対戦でエジガル ジュニオが務めていたFWには、柏から加入したジュニオール サントスがフィット。ここまで10ゴールを記録するなど、最前線で存在感を発揮している。また、直近のリーグ戦である3日に行われた第31節・鹿島戦では水沼 宏太が久しぶりの先発でゴールを挙げ、小池 龍太も左SBで一定のパフォーマンスを見せるなど、チームとしての底上げも図られている。現在離脱中の仲川 輝人もすでに全体練習に合流しており、昨季のMVPが今節で復帰を飾る可能性もありそうだ。
互いにハイライン・ハイインテンシティーを強みとするだけに、この試合でも球際の激しいガチンコのバトルが繰り広げられることは間違いない。「背後のスペースに関してもスピードで負ける感じはしない」(石原 広教)と強気を貫く湘南の最終ラインが、横浜FMのアタッカー陣にどれだけ対抗できるかというところも楽しみの1つだ。いずれにしても、湘南はいまのスタイルを変えることなく、真っ向勝負を挑むのみ。「ここからは良くなることしかない」(山田 直輝)と自信を深めるチームが、“神奈川ダービー”で金星を狙う。
[ 文:林口 翼 ]
