鹿島は15勝4分10敗の勝点49で6位。今季から指揮を執るザーゴ監督の下で攻守ともに主導権を握る組織作りを進めており、序盤こそ苦戦したものの、戦術の浸透とともに調子を上げてきた。
直前の公式戦である14日の明治安田J1第27節では、首位を走る川崎Fと対戦。ピッチの随所で激しいぶつかり合いが続く中で先制を許すも、75分にエヴェラウドのゴールで追いついて1-1の引き分けに持ち込んだ。試合直前に新型コロナウイルスの影響で多くの選手が欠場する緊急事態となったが、ピッチに立った選手たちが今季磨いてきた戦術を実践。個人対個人の局面でもファイトを見せ続けた。反応の早さや足元の技術を生かすGK沖 悠哉は経験を積んで成長を続けており、約2カ月ぶりに先発出場した奈良 竜樹も球際の勝負で一歩も引かない守備を披露。こうした選手たちがチーム力を高め続け、終盤戦でのスパートをかける。
仙台は3勝9分16敗の勝点18で最下位。今季は木山 隆之監督の下で攻守ともアグレッシブなチーム作りを進めてきたが、ケガ人が相次いだことなどもあり、なかなか結果を出せない日が続いた。第9節・神戸戦からはリーグ戦で17試合勝てない厳しい時期が続いてきたが、第27節・G大阪戦でようやく勝利し、悪い流れを止めることに成功。長沢 駿のハットトリックや、柳 貴博のJ1初ゴールによって今季最多の4得点。守備でも両CBの平岡 康裕と金 正也らをはじめとした選手の活躍があり、無失点に抑えた。ホームに戻って迎えた18日の第32節・FC東京戦では、二度追いつく粘りを見せて2-2の引き分けに持ち込んだ。FC東京戦から中2日と日程面では不利だが、続けてホームで試合ができる点をプラスとして強敵を倒したいところだ。
この試合は中盤の構成力に注目したい。
鹿島は三竿 健斗が出場停止。しかし永木 亮太のような頼れる選手が控えており、もともとチームとしての試合運びや攻守のバランスのコントロールに優れているのが鹿島。エヴェラウドや土居 聖真は前線でも中盤でも技術や戦術眼、得点感覚を生かせる選手たちでもあり、そうした選手たちの組み合わせからザーゴ監督が誰をピッチに送り込むかに注目したい。
仙台は試合間隔が短いこともあり、選手のコンディションや、これまでの連戦下でのマネジメント傾向を考えれば、先発メンバーが大きく入れ替わることも予想される。G大阪戦で[4-3-3]を採用してからは中盤のバランスも向上しており、アンカーの椎橋 慧也と、インサイドハーフに入る、技術の高い佐々木 匠や浜崎 拓磨らが形成する三角形が機能。周囲の選手とともに相手を囲い込むプレッシングや、緩急をつけたパス回しが可能になってきた。これをメンバーが交代してもできるかが、強豪撃破のカギとなる。FC東京戦では途中出場した兵藤 慎剛や松下 佳貴がそれぞれアシスト、ゴールという結果を出した。彼らを組み込んだ中盤で、鹿島を倒すための攻撃を組み立てることが期待される。
[ 文:板垣 晴朗 ]


