ただ、その4試合がすべてホーム開催となるのは鹿島にとって大きなアドバンテージと言えるだろう。今季ここまでホームゲームでは6勝4分3敗。勝率46%という数字を残している。着実に勝点3を積み重ねることが求められている。
チームの状態は上昇中だ。明治安田J1第27節で川崎Fをホームに迎えて臨んだ一戦では、7人の選手が出場できない非常事態に見舞われながらも一致団結して戦い、首位を独走する川崎Fをあと一歩まで追い詰めた。第28節では仙台とのアウェイ戦に臨み、エヴェラウド、ファン アラーノ、上田 綺世の3人がゴールを決める攻撃陣の爆発で仙台に3-1の快勝。良い状態で県立カシマサッカースタジアムに戻ってきた。
ザーゴ監督も「選手たちがやってきたことが表現されて、非常に良かったと思います。自分たちの目標が天皇杯出場になりますので、それを最後まであきらめずに達成することができたらと思います」と述べ、チームはさらに結束を強めている。シーズン終盤の勝負どころに入ると伝統的に強さを発揮してきたクラブだけに、この4試合の戦いぶりには注目が集まる。
ただ、柏は難敵と言えるだろう。ここ5試合で1勝1分3敗とブレーキがかかっているが、何より攻撃陣は波に乗ると手がつけられない。FWのオルンガは現在24得点とチーム総得点の半数近くを1人で叩き出している。前回の8月の対戦でもオルンガの得点力はすさまじかった。目の覚めるような鋭いシュートを2本突き刺し、一瞬のスキも与えてはならないことを強く印象づけた。しかし、終了間際に土居 聖真の2点が決まり、劇的な幕切れで鹿島が勝利している。
今回も激戦が予想されるが、柏は新型コロナウイルスの影響で約2週間の活動休止を余儀なくされ、前節の鳥栖戦が久しぶりの公式戦。11月に入って初めての試合だったこともあり、存分に力を発揮できたとはいえなかった。チームがかみ合い始めたのはゲームの終盤。87分にゴールを決めたのはオルンガだった。来年の1月4日に順延することになったJリーグYBCルヴァンカップ決勝に出場する柏。それまでに失ってしまった試合勘を取り戻したいところだろう。
両者のリーグ戦対戦成績は、鹿島の28勝6分13敗。直近の5試合は4勝1分と鹿島が優位に立っている。柏にはオルンガがいるが、鹿島にも16得点のエヴェラウドがいる。両エースがどんな活躍を見せるのか楽しみな一戦である。
[ 文:田中 滋 ]

