湘南は6勝8分19敗の勝点26で17位。豊富な運動量をベースとした全員守備・全員攻撃が浸透しており、もともと守備から攻撃への鋭い切り替えを得意としてきたところに、昨季途中から指揮を執る浮嶋 敏監督の下でバリエーションを加えている。
今季は多くの選手が出場機会を得た中で若い力も台頭。粘り強く相手との競り合いを制する舘 幸希や、サイドからスピードに乗った突破を見せる畑 大雅らがチームを支えている。
前節はセットプレーから金子 大毅のゴールで先制したが、大分に逆転負けして順位を落とした。直上の順位である仙台との対戦で再浮上を狙う。今季を最後に海外に旅立つ齊藤 未月や鈴木 冬一を送り出す試合でもある。また、元仙台の選手のプレーも見どころ。力強い守備を見せる大岩 一貴、鋭い飛び出しとクロスが得意な古林 将太、巧みなゴールパターンを多く持つベテラン・石原 直樹が出場した際には、どんなプレーを見せるかにも注目したい。
一方の仙台は6勝9分18敗の勝点27で16位。負傷者が相次いでなかなか理想のスタイルを表現できず、結果が出ない苦しいシーズンを過ごしてきた。だが、18試合ぶりに勝利した第27節・G大阪戦から復調傾向にあり、前節・清水戦では打ち合いを制し、3-2で勝利。今季初の連勝を記録し、順位を18位から16位に上げてホームに戻る。今季の仙台の苦戦を物語るのが、まだホームでの勝利がないこと。「サポーターの皆さんに本当に申し訳ないと思っているので、ここでやっと連勝できて、この流れでホーム最終戦にはサポーターの皆さんに勝利を届けられるように」と松下 佳貴も言葉に力を込める。
仙台は[4-3-3]を基本布陣として、今季から指揮を執っている木山 隆之監督が標ぼうする『攻守ともにアグレッシブなサッカー』をこの終盤戦で発揮できるようになってきた。相手によっては[3-4-2-1]でカウンターを仕掛ける形と使い分け、試合を進める柔軟性も見られるようになった。サイドからイサック クエンカの巧みなキープで時間を作ったパス交換を見せたと思えば、蜂須賀 孝治が早めにクロスを送る攻撃も披露。フィニッシュ役としてはここまで9得点の長身ストライカー・長沢 駿が好調で、流れの中で相手に守られたとしても、セットプレーからゴールを沈めることができる。前節は松下のCKから蜂須賀が決め、さらに浜崎 拓磨の直接FKが決勝点となったように、キッカー陣も好調だ。
この両チームは長い中断期間が明けた7月4日のJ1第2節で対戦した。そのときは仙台が立ち上がりにジャーメイン 良の決めた1点を守り切った。あれから約5カ月半が経ち、それぞれ苦しいことも少なからず経験した中で、何を得て、どう成長したのかを示す一戦となる。最後の最後まで、熱いファイトを期待したい。
[ 文:板垣 晴朗 ]


