このタフなシーズンの開幕戦、昭和電工ドーム大分では“逆境”に直面した2チームが激突する。ホームチームの大分は、2019年に6シーズンぶりのJ1で9位と躍進し、昨季も11位と健闘したが、今オフはその特徴的なサッカーを体現するカギを握ってきた主力選手たちが複数、他クラブへと移籍。特に鈴木 義宜(清水)、岩田 智輝(横浜FM)、島川 俊郎(鳥栖)ら最終ラインと中盤で核となっていたメンバーが抜け、後方からビルドアップするスタイルの土台を再構築する必要に迫られることになった。
片野坂 知宏監督体制下でここまで大幅に主力が入れ替わるのは初めてだが、新たに坂 圭祐、下田 北斗、長沢 駿といった実績豊富な実力派たちを獲得し、新戦力が化学変化をもたらしそうな今季のチームには、期待感もそそられる。プレシーズンからトレーニングは完全非公開となっていたため、新チームはこの試合で初めてベールを脱ぐことになる。
アウェイチームの徳島は、昨季J2首位でJ1昇格を勝ち取ったものの、2017年から指揮を執ってきたリカルド ロドリゲス監督が今季から浦和へ。新指揮官は同じスペイン国籍のダニエル ポヤトス監督だが、コロナ禍のためまだ来日できておらず、日々オンラインで海を越えて連係しながら甲本 偉嗣ヘッドコーチが現場を率いている。ただ、徳島については「岩尾 憲を中心に選手主導でピッチ内に変化を起こせるチーム」と、2019年に徳島でプレーし昨季から大分で活躍する野村 直輝が証言しており、昨季までの積み上げを生かすことができれば指揮官不在はさほどディスアドバンテージにはならなそうだ。
川崎Fから宮代 大聖、東京Vから藤田 譲瑠チマと若い即戦力も獲得しており、昇格組ならではの勢いにフレッシュさを加え、7シーズンぶりのJ1の舞台で躍進を期す。
ボールを握ってビルドアップし、相手を見ながらプレーを選択していくスタイルで共通点の多い両チームだが、実は2017年、2018年のJ2での対戦成績は、大分が4敗。この圧倒的な相性の悪さを、3シーズンぶりの対戦で覆すことができるか。片野坂監督は「徳島は簡単な相手ではない」と警戒しつつ、「狙いを明確にしてスピードと精度を上げていきたい。スピードで上回ることができれば、良い展開に持ち込めるのではないか」と読む。
1日も早くJ1残留を確定させるためにも、順位を競い合うことになりそうな相手との対戦では、きっちりと勝点を得ておきたい。下馬評では厳しい見方をされているチーム同士、初戦から激しい戦いが繰り広げられそうだ。
[ 文:ひぐらし ひなつ ]
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