昨季まで2シーズン、C大阪を率いたロティーナ監督。就任初年度の2019年は5位、昨季は4位と安定した成績を残し、今季のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)出場という置き土産を残して契約満了により昨季限りでチームを離れた。
C大阪にポジショナルプレーを導入したロティーナ監督。立ち位置の優位性を生かしたボール運び、しっかりとポジションを取り、相手にスキを与えないゾーンディフェンス。攻守に組織を植えつけ、チームに明確なスタイルを築いた。中でも特徴的だったのが、緻密な守備。相手の攻撃に対応する守備時のポジション修正は毎週のように行われ、体に染みつかせるレベルにまで浸透させた。就任したばかりの清水でも、守備の構築は図られているだろう。C大阪としては、その堅守をどう攻略し、打ち破っていくか。
ロティーナ監督に別れを告げ、新たに招聘したレヴィー クルピ監督の下、今季のチームは得点力の向上と攻撃力のアップを目指している。開幕から3試合連続複数得点という事実が示すように、新たに打ち出した方向性は浸透しており、ロティーナ前監督体制に比べると、縦に速く攻める意識も増している。中でも際立ったプレーを見せているのが大久保 嘉人。開幕戦でチームのファーストゴールを決めて勢いに乗ると、先週は川崎F、FC東京と続いた“古巣シリーズ”でも続けて得点。自身初の開幕3試合連続ゴールで計4得点と大爆発している。キレのある動きは全盛期をも彷彿とさせ、今節も清水ディフェンスの間、背後を抜け目なく狙う背番号20のプレーに注目だ。
もっとも、そんな大久保の活躍とは裏腹に、チームは連敗中。ACL出場による前倒し開催となった明治安田J1第11節・川崎F戦、直近の第2節・FC東京戦とも二度のリードを生かし切れず、2-3の逆転負けを喫した。今節は果敢にゴールを目指す積極性とともに、守備の強度を高め、試合の進め方、締め方といった細部にもこだわっていきたい。
ロティーナ監督体制が発足した清水は、鹿島とのアウェイでの開幕戦で鮮やかな逆転勝利を収めると、続くホーム開幕戦となった福岡との第2節は、後半アディショナルタイムに同点ゴールを決められて2-2の引き分け。勝利まであと一歩に迫っていただけに、開幕連勝がこぼれ落ちる残念な結果となったが、2試合で勝点4と悪くないスタートを切った。今節、ロティーナ監督がどのようなC大阪対策を引き下げてヤンマースタジアム長居に乗り込んでくるか。その出方が注目される。
第3節という早い段階で実現した“ロティーナ・ダービー”。互いの負けられない思いがぶつかり合う一戦は、“レヴィー・セレッソ”が持ち前の攻撃力を発揮して“ロティーナ・清水”を粉砕するか、ロティーナ監督の策が炸裂し、古巣から会心の勝利をもぎ取るか。ひと時たりとも目が離せない試合になることは間違いない。
[ 文:小田 尚史 ]