神戸は前節、アウェイでFC東京と対戦し、立ち上がりから決定的なチャンスを量産。わずか5分で先制点を奪取し、後半に2点目を加えるなど優勢に試合を進めた。ところがその後、74分からの3分間で立て続けに失点を喫して同点とされるなど苦いゲーム展開となったが、最終的には郷家 友太の決勝点で勝ち切っている。
G大阪との開幕戦で勝利し、続く徳島とのアウェイ戦は引き分けたが、確かな実力を持つFC東京を破った。その原動力には磨いてきたボールポゼッションは無論、相手を自陣に押し込む攻守の切り替え、前線からのプレスや[4-4-2]で対じする整備された組織的守備の力がある。郷家はいまのチームに確かな手ごたえを感じているようで、FC東京戦後にこうコメントを発信している。
「(2-0から追いつかれ)去年のヴィッセルだとこのまま引き分けか落としていたかもしれないけど、『今年のヴィッセルは去年と違うんだぞ』っていうところをこの3節で見せられているんじゃないかと思う」 リーグ戦はここまで2勝1分と好スタートとなり、さらに2日のJリーグYBCルヴァンカップBグループ第1節・大分戦では大きくメンバーを変更しながら3-1と逆転勝利。井上 潮音ら新加入選手は確かな存在感を見せ、菊池 流帆、山川 哲史、郷家ら若手も躍動感を高める。確かな戦いぶりを披露している2021年版の神戸だが、今節はさらなる強敵と対じすることになる。乗り込んでくるのは、開幕戦以降、3戦3勝と絶好調の名古屋だ。
一昨年の9月に就任したマッシモ フィッカデンティ監督率いる名古屋は昨季、明治安田J1で3位に入るなど大きな躍進を遂げた。今季はAFCチャンピオンズリーグ(ACL)にも出場するが、その洗練されたディフェンスとスピード感みなぎる攻撃は大きなインパクトがある。
各チームの実力者を多く補強したことも今季の大きなポイントで、C大阪から柿谷 曜一朗、木本 恭生、鳥栖から森下 龍矢、浦和から長澤 和輝、川崎Fから齋藤 学を獲得。従前からチームを支えてきた丸山 祐市や中谷 進之介、前田 直輝らと確かな融合を見せ、開幕戦で昇格組の福岡に2-1で勝利すると、第2節・札幌戦、第3節・柏戦はともに1-0で勝利。オーガナイズされた耐久力のあるディフェンスを軸に粘り強いサッカーを今季も体現しているのが特徴的で、柏戦後に丸山はこう話している。
「柏は前の試合でもしっかり勝っていたので、勢いがあるチームだというのはもちろん分かっていました。その相手にゼロで抑えられたということは、すごく自信になりますし、1-0で勝つことができてうれしい」 ボールポゼッションに秀でた神戸と、昨季J1最少失点チームでもある鉄壁の名古屋。どちらの持ち味が相手を凌駕し、今季最初の黒星をつけるのか。互いに“自信”を育みながら迎えるマッチアップは、ストロングポイントが真っ向勝負するスペクタクルな90分になりそうだ。
[ 文:小野 慶太 ]
