前節は横浜FMの強烈なプレスに圧倒され、リカルド ロドリゲス監督も「彼らのほうが本当に上回っていた」と舌を巻く敗戦。始動から丹念に取り組んできたビルドアップは窒息させられ、自陣での苦しい戦いを強いられた。
前半の失点はいずれも、自陣でのボールロストから。杉本 健勇が執拗なプレスを受け、伊藤 敦樹が背後から詰められて、ボールを失ってから瞬く間の失点。横浜FMの強度に圧倒されたまま2点のビハインドを負った。
その後、30分以降は「われわれもうまくプレスを掛けられたり、ボールを握れるような良かった時間があった」(リカルド ロドリゲス監督)と浦和が攻勢に出る時間もあり、ここで1点でも返せていればもう少し違った展開になっていたかもしれない。
だが実際には前半のうちに返すことはできずに、後半は素早いリスタートから3点目を奪われ「トドメを刺された形になってしまった」(リカルド ロドリゲス監督)と、以降はチームバランスが著しく悪化。相手のシュートミスがなければあと何失点していたのかという、這う這うの体で試合を終えた。
多くの課題とチームの現在位置を突きつけられた試合だったが、自陣での失点はボールを握るスタイルに取り組み始めたチームが必ず通る通過儀礼のようなもの。実戦での失敗を糧として積み上げを継続していくほかない。
さらに今節は、沖縄キャンプで1-4と大敗した札幌が相手だ。あのときは札幌のマンツーマンプレスにミスが頻発し、横浜FM戦と同じように自陣からのロストで失点を重ね、カウンターからトドメの追加点を叩き込まれた。
ただ「(札幌戦でも)後半にはすでに改善できていた部分もある」と開幕前にリカルド ロドリゲス監督は語っており、もちろんチームはキャンプ時のままの成熟度ではない。公式戦連戦6試合目と苦しい日程ではあるが、背後を狙うロングボールも交えつつ、札幌のプレスを引きつけ、はがして一気に裏返す形でゴールに迫るシーンを多く作りたいところだ。
対する札幌は、中6日でアウェイに乗り込んでの試合となる。開幕戦に勝利してから連敗中ではあるが、前節のG大阪戦が中止となったことで準備期間においては優位。そして前述の沖縄での練習試合では大勝した良いイメージがある。沖縄キャンプ時のように、また開幕節・横浜FC戦のようにマンツーマンで激しくプレッシャーを掛けてボールを奪い、一気にゴールへとつなげたい。そして何より、「チャンスの数も相手を上回ったが決め切れなかった」(ペトロヴィッチ監督)状態を脱したいところ。
お互いが仕切り直しとして、ビルドアップを向上させてチャンスを増やしたい浦和、プレスで奪い切りチャンスを確実にモノにしたい札幌と、それぞれの課題を解決するのに格好のスタイル同士の対戦となる。
[ 文:沖永 雄一郎 ]
