昨季の明治安田J1で3位に躍進した名古屋が好調だ。開幕から4試合を終えて失点はわずかに『1』、しかも直近の3試合はすべて“ウノゼロ”と、1点を奪い、したたかに守り切る戦法でスタートダッシュを決めた。
名古屋は昨季もリーグ最少の失点数を誇り、守備には自信を持っているチームの1つだが、ここまでの戦いから見ると、その堅守にさらに磨きがかかっていると感じる。特に前節は昨季フルタイム出場したCBの中谷 進之介に替えて、新加入の木本 恭生を先発に据え、ダブルボランチの一角も米本 拓司に替えて長澤 和輝を先発に抜擢。これまでと異なるメンバーで、高い攻撃力を持つ神戸を完封してみせた。
今季の名古屋は、AFCチャンピオンズリーグもあり、より厳しい連戦が予想されている。その中でチームの基本とする守備が、新メンバーでも高いレベルで安定できると確認できたのは大きい。
一方で攻撃陣は4試合で5得点。質の高いアタッカー陣がそろっていることを考えると、もう少し奮起が必要か。前線から激しいプレッシングで守備に貢献しているとはいえ、得点力を上げればさらに戦いやすくなるはず。マッシモ フィッカデンティ監督は「無理に2点目を奪いにいくことで、バランスが崩れてしまっては元も子もない」とするが、失点のリスクは管理しつつ、華麗な攻撃のコンビネーションも見てみたい。
一方、開幕4連敗中の横浜FCは、開幕戦で札幌に1-5と大敗を喫した悪い波に飲み込まれ、前節もC大阪に1-4と大差をつけられた。雷の影響で試合開始時間が変更となり、大雨によりピッチの所々で水が浮く悪コンディションの中、前半に守備の判断ミスから先制され、後半の立ち上がりにジャーメイン 良のゴールで一度は追いついたものの、その後すぐに失点し、「選手たちが若干気落ちした感じになってしまった」(下平 隆宏監督)と、立て直すことができなかった。大幅なメンバー変更も功を奏さず、苦しい時間が続いている。
一見すれば、勢いに乗る名古屋が優位に感じるが、こうした対決で下位のチームが上位を打ち負かすことはよくあること。お互いの先発メンバー同様に試合展開は読みづらい。
昨年9月の対戦では、名古屋の吉田 豊が美しいミドルシュートで先制点を奪ったものの、横浜FCは若手が躍動感あふれるプレーを見せて逆転勝ちを収めた。ここ数試合は相手の攻撃を右から左へ受け流すような、安定した守備を見せる名古屋だが、横浜FCのリズムが長くなれば失点のリスクも高まる。まさか油断をすることはないと思うが、守備面ではいつものように細心の注意を払って、攻撃面では大胆に攻め込みたい。
対する横浜FCはとにかく勝利。1つの勝利から歯車がかみ合うことは、サッカーの世界ではよくあること。敵地でもガムシャラに勝利を目指したい。
[ 文:斎藤 孝一 ]
