ホームの札幌は前節、敵地で浦和と対戦して0-0のドロー。前半から攻守ともに積極的に仕掛け、中央とサイドをうまく使い分けながら何度もチャンスを作っていた。ショートパスをつなごうとする浦和に対してボールホルダーを素早く取り囲む守備で上回り、内容的には十分に勝利を手にしてもおかしくないものだった。しかし、多くのチャンスを作りながらもそれを決めることができず。前々節・G大阪戦が中止になった影響で札幌には十分に休養があり、相手は中2日というスケジュール。そうしたことを踏まえるとアウェイゲームとはいえ痛い結果だったように思う。
浦和戦後の会見でペトロヴィッチ監督も言葉にしていたが、ここ数試合の札幌はチャンスを作りながらもなかなか得点を奪うことができず、勝点を取り逃していた。浦和戦では勝点1を拾ったものの、最後の精度における課題は抱えたまま。ジェイやチャナティップといった攻撃の主軸を負傷で欠く難しい状況ではあるが、この試合でも好機をどれだけ生かせるかがカギとなるだろう。
一方、まだまだ寒い3月の北海道に乗り込む神戸の前節はホームで川崎Fと対戦して1-1のドロー。前年王者と立ち上がりから互いに攻め合う試合を演じ、攻守両面で粘り強くプレーをしながら時計の針を進めていった。残念ながら72分に先制点を与えてしまい、そのまま強者に押し切られてしまうのか……と思われた90+10分。劇的なシーンが待っていた。左サイドから蹴られたクロスに対し、相手守備の一瞬のスキを突いてDF菊池 流帆がヘディングで押し込んでタイスコアに。勝利こそならなかったものの、終了間際の同点劇はスタンドからの大きな拍手を生んだ。
今季の神戸は開幕から好パフォーマンスを続けている。コンパクトな陣形を保ちながらスピーディーにボールを動かし、山口 蛍、セルジ サンペールといった守備的MFが巧みなゲームコントロールでサイドの選手のランニングスピードを生かしながら相手守備を揺さぶっていく。川崎F戦でも、相手の強力なパスサッカーに臆することなく積極的なポゼッションを行って渡り合っていた。そうしてつかんだ勝点1は自信と勢いにつながるだろう。
試合の焦点としては“勝負強さ”になるだろうか。札幌も神戸も個人の質が高く、そうした選手たちがコレクティブに戦う好チーム。双方ともに開幕からどの試合でも好機をいくつも作り出しており、内容的には悪くない。そうした中で決めるべきところをしっかりと決められるか。その部分こそが試合の行方を決定的に隔てることになりそうだ。
[ 文:斉藤 宏則 ]

