神戸はここまで3勝2分1敗の勝点8で7位。3勝はいずれも1点差で、僅差の勝負をモノにできている。また、第5節・川崎F戦でも粘り強さを見せ、終了間際に追いついて引き分けた。2年目の三浦 淳寛監督の下、ボール保持においては昨季から継続した形に改良を加える。さらに、前線からのプレッシングを整備して今季に臨み、相手の攻撃をはね返すだけでなく、カウンターにつなげる流れもモノにしつつある。
3月30日に行われた日本代表戦で2ゴールを記録した古橋 亨梧が好調を維持しており、彼を筆頭に藤本 憲明や郷家 友太のように相手守備陣の間にほころびを見つければ即座に入り込める攻撃陣がそろう。仙台の手倉森 誠監督は、「前線にパワーとスピードがあり、その速い仕掛けに惑わされない守備の対応はしっかりしなければいけない」と警戒。それに加え、「(山口)蛍選手の展開力と、(酒井)高徳選手の攻め上がりは、やはりうまさと怖さがあります」と、中盤とサイドの要となっている経験豊富な選手たちの名前も挙げた。こうした粘り強い守備から攻撃につなげる存在にも注目だ。
一方の仙台はここまでの5試合で1分4敗、勝点1の18位と苦しい時期が続いている。手倉森監督を8年ぶりに迎えた今季の開幕戦では、退場者を出しながら終了間際に赤﨑 秀平のゴールで追いつき引き分け。しかし、第2節・川崎F戦で1-5の大敗を喫してから守備が整わず、大量失点が続き、悪い流れに呑まれていた。
3月の仙台は苦しい試合が続く中でも多くの選手が出場機会を得て、その中で試行錯誤をしながら攻守のバランスの最適解を考えてきた。ヤクブ スウォビィクの好セーブやシマオ マテの力強い寄せなど、個人としての守備の強さに頼り過ぎることなく失点を減らすにはどうすべきか。[3-4-2-1]でスタートして5バック気味に守る形を試みたり、最終ラインのバランスを変えたりしてきた中で、徐々に崩される場面を減らしてきただけに、あとは結果が欲しい。この神戸戦で、今季初勝利をホームのユアテックスタジアム仙台で挙げて、サポーターとともに喜びを分かち合いたいところだ。
もともと攻撃的ポジションを務める石原 崇兆は、「ポジショニングのイメージが去年より良くなってきた」と、昨季途中から務めるようになった左SBで、今季はそれ以上の手ごたえをつかめてきた。また、元神戸の松下 佳貴は「組織的な守備から攻撃へ、というところは改善されてきました。自分の役割は変わりませんが、より攻撃のところでの迫力や関わり方を、今まで以上に見せていければ」と、我慢の戦いが続いてきた中で得たものを、古巣戦で結果につなげようとしている。
3月最後の公式戦だったJリーグYBCルヴァンカップでは悔しい敗戦を喫した両チームだが、4月最初の一戦で、勝利による好スタートを狙う。熱い内容を期待したい。
[ 文:板垣 晴朗 ]


